公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)
大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。
買い取り・リース・レンタルとLED照明を導入するに当たってはいろいろありますが、会計の観点から、そのメリットとデメリットをあらためて整理します。
[2017年 6月21日公開、2023年12月27日更新]
第2回のコラムで「買い取りとリースのどちらがよいか」について書きましたが、企業利用で一番多い直管形蛍光灯タイプにおいて、最近ではLEDをレンタルという形で提供する業者も増えているようです。そこで、今回はレンタルを含めてそれぞれのメリット・デメリットを整理したいと思います。
リースとレンタルは何が違うのでしょうか? 大きな違いは「中途解約」ができるかどうかです。リースの場合、中途解約ができない契約になっているか、あるいは中途解約した場合にリース料の残債を一括返済する必要がある契約になっています。一方、レンタルの場合は「中途解約が可能」な契約となっており、中途解約した場合も違約金がかからないかあるいは少額となります。
同じLEDを5年間導入する場合、コスト的にはそれぞれどうなるでしょうか。
LEDを買い取る場合、最初にLEDそのものを購入するための金額を支払う必要がありますが、当然ながら一番トータルコストは安くなります。リースの場合は、LEDそのものの金額にプラスしてリース会社への金利・手数料、付随費用などがリース料総額に含まれているので、一般的に買い取った場合よりも割高になります。レンタルの場合は、途中で解約されてしまうことも想定しているため、リース料よりもさらに5年間のレンタル料総額は割高になります。もちろん、早期に解約するのであればレンタルが一番割安になります。
会計の観点でも、買い取りとリース、レンタルは異なります。直管形蛍光灯タイプを買い取る場合、第1回のコラムでご紹介した、照明設備の一部品を交換する工事をしたと考えて修繕費としてその年の費用とするか、あるいは固定資産を購入したときと同様に、固定資産として計上し減価償却していく方法が考えられます。リースにはリース期間終了後に所有権がお客様に移る「所有権移転ファイナンス・リース」と、リース期間が終了した後に再リースするか返却する「所有権移転外ファイナンス・リース」があります。
所有権移転ファイナンス・リースは、資金を借りて買い取った場合や所有権を購入者様がもつ「割賦(代金を何回かに分けて支払うこと)」と同様の会計処理になります。LEDを資産計上し、通常の耐用年数に従って減価償却していきます。
所有権移転外ファイナンス・リースの場合は、同様にLEDを資産計上しますが、減価償却の方法が異なります。リース期間定額法といって、リース期間で均等に減価償却していく形になります。一方、レンタルの場合、LEDは「簿外資産」になります。毎月のレンタル料がそのまま経費になるだけです。
以上のように、買い取り・リース・レンタルでは、それぞれ総コスト、支出や経費になるタイミングが異なります。資金繰りの状況によっては総コストが高くてもリースやレンタルがよい場合もありますし、今期や将来の利益の状況次第では、長い期間にわたって減価償却していく方がよいと考える場合もあります。会社の状況によって何がメリット・デメリットになるのかが変わります。資金繰りや利益予測などを踏まえ、自社にあった方法での導入を検討する必要があります。
最適な導入方法の考え方は企業によってさまざまです。これまでのまとめを行いながら、「資金繰り計画」を中心にとらえた内容をお届けします。
公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)
大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。
蛍光灯からLED照明に取り替え工事をした場合、LED照明への取り替え費用は税務上どのような取り扱いになるでしょうか?
[2016年 7月22日公開、2023年12月27日更新]
意外に分かっていないリースと買い取りの違い。そのもの自体の違いは分かっていても税務対策はどう違うのかまで分かっていないのが実情。今回はそこをきちんと解説していただきます。
[2016年 8月19日公開、2023年12月27日更新]
「照明をLEDに変えたい。経費としては単年度で計上したい」。そういった場合には「修繕費」扱いという方法があります。今回はその条件面や注意点などを詳しくご紹介します。
[2023年 8月31日公開]
補助金にはさまざまな種類があります。誰もがもらえるものや、厳しい審査、そのあとの報告義務などがあるものもあります。補助金の仕組みや導入後のことも検討する必要があるでしょう。
[2016年10月21日公開、2023年12月27日更新]
経営者の中には、減価償却が終わっていないという理由で買い控えをしている方がいらっしゃいます。気持ちをくむことはできますが、これは見当違いです。今回はその理由をご説明しましょう。
[2016年11月18日公開、2023年12月27日更新]
譲渡権つきリースは、リースとして初期の導入コストを抑えることができ、またリース期間後には、その製品を自社のものとすることができるものです。その場合の経理処理についてご紹介します。
[2023年 9月20日公開]
「中小企業経営強化税制」という中小企業の追い風とおぼしき税制が平成29年度税制改正大綱で公表されました。どのように活用することで効果をもたらすのか、その概要をご紹介します。
[2017年 2月 1日公開、2023年12月27日更新]
税制活用は見極めが肝心です。何が使えて何が使えないのか。設備投資なのか、修繕費なのか。この判断もまた大切なところ。今回はその点をお伝えします。
[2017年 2月23日公開、2023年12月27日更新]
償却資産税は固定資産税の一部です。設備投資の際に考えておきたい税金のひとつ。今回は償却資産税についてお伝えします。
[2017年 3月15日公開、2023年12月27日更新]
減価償却には一般的に定率法と定額法がありますが、定率法と定額法では資金繰りに与える影響が異なるので注意が必要です。
[2017年 4月19日公開、2023年12月27日更新]
減損会計は中小企業でも財務状況を把握するうえで非常に有効な考え方です。今回はより安全な経営判断ができるよう減損会計の考え方をご紹介します。
[2017年 5月17日公開、2023年12月27日更新]
第12回 直管形蛍光灯タイプの買い取り・リース・レンタル、そのメリットとデメリット
買い取り・リース・レンタルとLED照明を導入するに当たってはいろいろありますが、会計の観点から、そのメリットとデメリットをあらためて整理します。
[2017年 6月21日公開、2023年12月27日更新]
企業における設備投資は売上増加を図る要のひとつ。そこで注目され始めている「中小企業経営強化税制」について、その概要と「経営力向上計画」の記入例を挙げて解説します。
[2017年 7月19日公開、2023年12月27日更新]
LED照明の導入をする際に活用できる税制を知ることで、皆様の会社の希望や状況に適した税処理をすることができる可能性があります。適用される税制の種類や条件などをご紹介します。
[2023年11月27日公開]
具体的な補助金・助成金に関する資料から、楽しい読み物までLED導入に役立つ資料を幅広くそろえました。ぜひご覧ください。
LED照明のほかにも、コスト削減の方法はまだまだあります!
面倒な「手間」を減らして「コスト」も削減できる、総務の皆さんが得するとっておきのダブル削減方法をご紹介します。
除菌LEDオフィス関東甲信越
従業員と来訪者のウイルス感染予防対策に除菌LED照明を自社導入!
自社事例(本社)
直管蛍光灯タイプコンパクト蛍光灯タイプ除菌LED老人福祉施設・保健施設中部
電気代高騰をきっかけにLED導入! 除菌LEDによる感染対策も実施
医療法人光慈会 知立老人保健施設 様
直管蛍光灯タイプ駐車場中部
10年使用した適性交換時期のLED照明をまるごと最新タイプに入れ替え
株式会社セントラルパーク 様(LEDからLED)
ナビゲーションメニュー