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あかるい税制活用
第11回 固定資産と減損会計

減損会計は中小企業でも財務状況を把握するうえで非常に有効な考え方です。今回はより安全な経営判断ができるよう減損会計の考え方をご紹介します。

[2017年 5月17日公開]

減損会計とは

減損会計という言葉を聞いたことがありますか? 減損とは、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった状態です。減損処理とは回収が見込めないことを反映させるように帳簿価額を減額する会計処理です。減損会計は上場会社などの大会社にのみ適用されるため、多くの中小企業経営者にとってはあまり興味が湧かない会計処理かもしれません。

減損会計は中小企業の経営にとっても非常に有益な考え方です。この機会に減損会計の考え方を知って、経営判断に生かしていきましょう。

貸借対照表の見方

減損会計の前にまず、貸借対照表の基本的な見方を説明します。貸借対照表の右半分(貸方)には負債と純資産があります。かなり簡略化していうと貸借対照表の貸方は資金の調達先を示しています。負債は金融機関などから借りた資金の残高であり、純資産は株主が出資した資金の額と、過去に稼いだ利益である内部留保の合計になります。一方、貸借対照表の左側(借方)は調達した資金の投資先を表しています。借方の資産としては現金や棚卸資産、機械設備などの固定資産があります。これらの資産を使って会社は事業活動を行い、得たお金で調達先に返済や配当をして、余ったお金は内部留保として、さらに投資に回すというサイクルができていきます。

減損会計の考え方

当然ながら、会社は投資した金額以上のリターンを得られると考えて投資しているはずですが、うまくいかないときもあります。例えば購入金額1,000万円でこの先5年でトータル2,000万円のお金を得られる機械と、この先5年で500万円しか得られない機械があったとします。どちらも購入金額1,000万円なので貸借対照表に載る金額は同じですが、意味は大きく違います。一方は将来調達先に十分な返済・配当をしておつりがくる健全な資産であり、もう一方は借りた資金の半分しか返済できない劣悪な資産です。この二つが同じ1,000万円で貸借対照表に載っていたのでは、会社の本当の財務体質が見えにくくなってしまいます。そこで、1,000万円で買っても将来的に500万円しか生み出せない資産は、1,000万円から500万円に減らして貸借対照表に載せましょうというのが減損会計です。厳密には個々の資産ごとではなく、キャッシュを生み出す最小の単位にグループ化して考えます。例えば営業所単位であったり、工場単位であったりします。

財務状況を把握してより安全な経営判断を

前置きが長くなりましたが、この減損会計の考え方は中小企業の財務体質を考えるうえで非常に有用です。ただ貸借対照表を漠然と眺めていても、本当の財務体質は分かりません。自社の資産の各グループが、将来的にどれほどのキャッシュを生み出すことができるのかを検討することで、より実態に近い財務状況を把握することができます。さらに、新規の投資を考えるうえでもこの考え方は有効です。目先の経費削減や生産性向上といった観点だけでなく、資産グループ全体のキャッシュの獲得能力がどうなるのかということもあわせて検討することで、より安全な経営判断をすることが可能になります。LED照明設備に投資する場合も、LED照明設備導入による経費節減効果により、資産グループ全体の将来のキャッシュ獲得能力がどうなるのかも考える必要があります。経費の節減をすれば将来のキャッシュ獲得能力が上がり、優良な資産グループに変わるかもしれません。

著者紹介

公認会計士・税理士
税理士法人ファーストライン 代表社員
増田 卓也(ますだ たくや)

大手監査法人にて、金融機関・外資系金融機関、製造業などの会計監査に従事した後、税理士法人ファーストライン代表社員に就任。現在、金融機関の会計監査の経験を生かし、中小企業や個人事業者を対象とした税務顧問、資金繰り改善支援、経営支援に従事している。

税理士法人ファーストライン

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