DX推進×Success Stories 特別対談

「進化」しても根幹は「不変」のシステム、だから乗り越えられた上場やM&A

時代やニーズの変化に対応して事業を変革させ、困難を乗り越え成長されてきた企業に、その成功秘話をお聞きしました。変革の中、何に期待されて「DX統合パッケージ」の導入を推進されたのか、さらには大塚商会を今どのように評価されているのか。大塚商会で26年にわたり営業の第一線を走ってきた担当者が、各社で経営を牽引しているキーマンを訪ねます。

株式会社エディア 企業情報

  • 業種

    総合エンターテインメント業
  • 事業内容

    IP事業、出版事業
  • 従業員数

    85名(2024年2月現在)

携帯電話用モバイルコンテンツ制作からスタートし、その要素を取り入れたカーナビ事業で大きく成長。後にM&Aによって音楽やゲーム、書籍やグッズなどへ事業を拡大し業績を伸ばしている。現在はこれらの海外における販路拡大に、特に注力。さらなる成長を見据えている。

  • * 2024年10月23日に東証グロース市場から東証スタンダード市場に上場市場区分を変更しています。

対談者プロフィール

株式会社エディア 代表取締役社長

賀島 義成 氏

上場企業で経理全般に従事していた経験から、経理部長として2007年に入社。「SMILE」シリーズの導入に初期から携わる。幼少期より野球好きで、今も野球カードを集めるほど。最近、知人の息子さんが出場を果たした甲子園の決勝を生観戦。心が揺れ動かされる貴重な経験に。

株式会社大塚商会 マーケティング本部 業種SIプロモーション部 部長

藤本 夢二

就職氷河期だった1995年入社。当時少数であったSI営業に配属されて26年、SI営業一筋。現在はプロモーションに異動し、部の業務全体を管理。大学から始めたアイスホッケーでは主将も務め、人材育成・チーム力・リーダーシップに取り組んだことが今の仕事で活かされている。

  • * 本記事中に記載の肩書きや数値、社名、固有名詞等は2024年10月1日時点の情報です。

「進化」しても根幹は「不変」のシステム、だから乗り越えられた上場やM&A

史上最も激動の時代ともいわれる今。変わらずに生き残れる企業は、皆無でしょう。エディア様も果敢な変化や施策で、注目されてきた事業者。それを牽引し続ける賀島氏は、大塚商会も今いちばん気になる経営者のお一人です。「DX統合パッケージ」を活用し、どう会社を成長させてきたのかお聞きしました。

グループの一体化はコミュニケーションから。基幹業務システムの統合もスムーズに

【藤本】現取締役会長でおられる原尾様は、御社を創業される以前、日本の大手自動車メーカーのエンジニアとしてカーナビの開発に携わっておられたそうですね。そこから現在のエンターテインメント事業につながっていった経緯をお聞きしてみたかったのですが。

【賀島】原尾がまだメーカーにいたころ、携帯電話に通信機能が付くようになり、位置情報を利用したサービスの提供に商機を見出して立ち上げたのが当社です。その後カーナビ事業も立ち上げました。しかしスマートフォンが普及し始めると両事業ともにピンチを迎えます。フィーチャーフォン向け会員制コンテンツの登録者が減少。また、スマートフォンで地図アプリが出てくるとカーナビも不要になりました。ですが、これをきっかけにゲーム事業を立ち上げ、現在も続いています。

【藤本】その後、2018年に株式会社ティームエンタテインメントや株式会社一二三書房を子会社化されました。ゲームやアニメの、書籍やグッズ、音楽CDなどをクロスメディア展開する総合エンターテインメント企業へと転換され、今では魅力的なIP(注1)を保有されています。競争に勝ち抜くためには、コンテンツの拡充が必要だと考えられたからでしょうか。

  • (注1)知的財産をあらわす「Intellectual Property」の略。自社が保有するゲームやキャラクターの版権・著作権などを意味する。

【賀島】そうです。ゲーム制作は1作品あたりの投資額が大きいものの当たり外れがあり、ゲーム制作だけだと経営が不安定なんですね。やはり自社で知的財産を保有して育てている企業が、日本だけでなくグローバルでも生き残っている。長期的な成長を考え、2社をエディアグループに迎えました。

【藤本】PMI(注2)においては、別会社の違う文化や風土の中でやってきた社員たちに、エディアと同じ方向を見てもらう。それがいちばん難しいことだと思うのですが、どうされたのでしょう。

  • (注2)Post Merger Integration:M&A後の統合プロセス

【賀島】本当に苦労しました。子会社化しても最初の2年ぐらいは既存のやり方を許容し、2社それぞれのカルチャーの中で業務に当たってもらいました。しかし2020年からは本格的なPMIを進めるべく、私を含め役員を各子会社へ送り込み、拠点を統合し、全社員をエディアへ転籍させるなど、制度・規則・待遇の統一を図り、ようやくグループとして一体化を果たせました。

【藤本】基幹業務システムについてはどうだったのですか。2社はもともと「SMILE」ではなかったと思います。無理して使い、不満などが出たのでしょうか。

【賀島】基本的にはエディアの管理部門が2社とも見ていますし、子会社へ出向しているメンバーも多くいましたので、「SMILE」に統一した方が効率的でヒューマンリスクも低減できる。「SMILE」へ移行してもらうため大切にしたのは、やはりコミュニケーションでした。私は社員に対し、仲間のような関係を意識しています。社員は誰も私を「社長」と呼ばないですし、一緒に中途入社したように考えてくれているかもしれません。そして一人一人に向き合い、統一が皆のためになると伝えたこと。思いを理解してくれたのでしょう、私の耳へ不満の声は届いてきませんでした。

システムの根幹が確かだから上場にしっかり対応。バージョンアップも企業の成長に寄与

【賀島】まずは上場を視野に、内部統制を強化する考えでした。例えば、一人の営業担当が原因で決算が締まらないことがあります。上場企業として問題ですので、システム化して申請の遅れやヒューマンエラーといったことをできる限り排除したい、というのが導入目的でした。

【藤本】以前のインタビューにおいて「完成度の高さ、情報系システムとの連携、柔軟なカスタマイズ性、新規公開株式(IPO)審査に対応できる、工数管理ができる」などを、「SMILE」選定のポイントに挙げていただきました。特にIPOでは、財務報告の信頼性を確保するために必要な内部統制として「従業員不正防止のコントロール」や「内部牽制機能を確保するための職務分掌」、「適切な役職者の承認設定」などが必要です。「SMILEα AD」と「Advance-Flow」との連携なら、「見積り、受発注、売り仕入れ、会計管理への仕訳データ連携」など、各業務プロセス全てにおいて役職者の承認を経ないと業務を処理できない「承認統制」が実現でき、それを評価いただけたのでしょうか。

【賀島】そうですね、まずは業務系と情報系との連携。そして販売管理からのデータ承認や会計業務などを、しっかりと制御したいと考えていました。「SMILE」は他社と比較して会計機能がしっかり網羅されていて、承認を得たデータに関しては修正できないようカスタマイズにも対応いただき、上場後を意識した内部統制を構築するうえで根幹となりました。

【藤本】その5年後の2012年には「SMILE BS」と「eValue NS」へ、そして2016年にマザーズ上場を実施された翌年には「SMILE」シリーズを「SMILE BS 2nd Edition」へとバージョンアップされています。これらもIPOに絡んでのことだったのでしょうか。

【賀島】基本的には、2007年の導入時点で上場に耐えられるシステムを構築できていたと考えます。監査法人からシステムへの指摘を受けたこともありません。「SMILE」シリーズは、上場を目指す企業も安心して利用できると思います。その後、システムのバージョンアップや機能拡張などがありました。ユーザービリティも大変向上していることを理解しています。ただ、これらを大塚商会さんとしては大きな変革だとお考えでしょうが、我々ユーザーからすると、その根幹はあまり変わっていない。逆に、そこがすごくよくて安心感がある。導入から17年経った今でも当社の業務フローのベースは大きく変わっておらず、これに適したシステムがあったからこそエディアも成長できました。「SMILE」シリーズを導入して、本当によかったと思っています。

【藤本】2022年からはクラウド型の「SMILE V Air」と「eValue V Air」へ移行され、基幹系と情報系のデータベースを統合した「DX統合パッケージ」システムをご利用いただいています。目的としてはテレワークに対応することと、3社のシステム環境を統合することだったかと。皆さまのご意見や運用状況はいかがでしょう。

【賀島】システムのクラウド化が進んでいて、この潮流に乗るならばカスタマイズから脱却して標準化されたシステムを利用することになり、業務オペレーションを標準オペレーションに合わせることになります。それをどう考えるか。私は5年、10年先も見据えると、金額面だけではなく、業務オペレーションの標準化にメリットやリスクヘッジがあると考えました。

【藤本】クラウドへの移行をわずか2カ月で完了されました。他で聞いたことがありません。トップの指示に応えて動いた社員の皆さんも素晴らしい。どうやって進められたのでしょう。

【賀島】やはり、コミュニケーションが大事でした。実は決算を2カ月後に控えていましたので、来期にすることも検討しました。しかし、決算後にも四半期ごとの開示や株主総会があり、時間を求めたら永遠にできないのではないか、後に回せば彼らがもっと苦労する。そう考え、2カ月でやり遂げようと現場のメンバーたちと話し、期首に合わせたスタートを叶(かな)えました。

「DX統合パッケージ」を軸にして拡がる未来。先を見据えて伴走してくれる心強さ

【藤本】基幹系と情報系の機能を掛け合わせることで、それぞれの仕事だけでなく「ヒト・モノ・カネ・情報」を、社内外を問わずつなぐという「DX統合パッケージ」のコンセプトは、今後も不変です。しかしエディア様のように、我々も変化していかなければいけません。そこで考えているのが「DX統合プラットフォーム」です。「DX統合パッケージ」を中心に置きながら、そこへIoTやAIといった今注目の技術と、いわゆるプロセスを可視化するようなツール、さらにはアウトソーシングなどのサービスを連携させてご提供することで、真のDX実現を支援していきたいという構想をもっています。

【賀島】クラウドソリューションが各社から出ていますが、人事や会計、ワークフローなどを1社で統合したものは他になかなかない。そして、一つ一つのソリューションもしっかりしている。それは、大塚商会さんの大きな強みですよね。だから「コンセプトは不変」とお聞きでき、私としては安心しました。根幹がしっかりとしたうえで各機能が発展していくなら、我々にとってより有用なものへ進化し続けるでしょう。良いソリューションを集めても、それらを使いこなせるオペレーターが育たない、採用できないという悩みを仲間の経営者からよく聞きますので。

【藤本】これは当社に限らず業界としてですが、今後も技術的には発展するもののパッケージ一つ一つの機能が大きくは変わらず、製品がコモディティ化していくかもしれません。であればSIerを選ぶ際に重視すること、大塚商会へ期待していただけることはありますか。

【賀島】今後5年10年、さらには20年、30年を伴走していただける会社かが非常に重要ではないでしょうか。例えば、あるソリューションを導入したものの10年後にもそれがあるのかといえば確約できないと思います。でも、信頼できる企業であれば、その心配を大幅に低減できます。特に、会計や販売といった会社の根幹に関わる部分であるほど、どういった会社にご協力いただくかは、すごく重要です。その点、大塚商会さんは長年にわたって確かな実績を残しておられますので、とても心強い。

【藤本】高く評価いただき、本当にありがとうございます。そうしましたら最後に、「DX統合パッケージ」の導入を検討くださっている方々に、何かメッセージをいただけますと幸いです。

【賀島】繰り返しにはなりますが、「DX統合パッケージ」はクラウド型に進化しても、その根幹は変わらずしっかりとしたソリューションでした。信頼性において何一つ揺らぐところはなく、安心して運用しています。移行して1年半ほど経ちましたが、もう以前の環境には戻れません。クラウドのメリットを本当に享受しています。システム導入で悩まれている会社がおられれば、本当に早くですね、導入検討をお勧めします。きっと経営の後押しにつながるのではないでしょうか。

ちょっと、“プライベート”にフォーカス!

【藤本】お父上は鞄(かばん)職人でおられ、自宅併設の工場を所有される経営者でもあったとお聞きしました。幼少からそのお仕事を間近で見られていたのでしょうか。何か賀島様のお仕事につながっているようなことはありますか。

【賀島】生地から一つ一つの工程を経て一つの鞄を作り上げていく。当時そこにモノづくりの根幹のようなものを感じていました。ですから現在、デジタルコンテンツだけでなく、リアルな表現物やグッズづくりも、社員たちが喜び楽しんでくれていることが分かるんです。デジタルの良さはもちろんありますが、手に取る魅力やありがたさのようなものを実感できています。

新社会人の記念に贈られた、お父上の手作り鞄

2022年クラウド移行を取材した導入事例

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