ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
管理会計
企業会計は、大きく財務会計と管理会計に分かれます。公開することを前提とした外部向けの会計を財務会計、企業の経営者や管理者が意思決定や業績評価のために行う企業内部向けの会計を管理会計といいます。会計というと、財務会計を重要視しがちですが、日々の経営において重要なのは管理会計です。
管理会計のメリット
管理会計は、業績測定・業績評価をするうえで欠かせません。管理会計は、会社の実情を客観的に把握して、経営方針を立てるための指標となります。具体的には以下のようなメリットがあります。
実績をタイムリーに把握できる
管理会計では、日次や月次などの短いサイクルで業績を管理するため、日々変化していくビジネスの状況を適時に確認することができます。売上・経費・粗利などの動きを見ながら「商品をリニューアルする」「事業部をより強化するため人材を投入する」といった施策を、適切なタイミングで検討することができます。
どこが伸びているか把握しやすい
部門別、製品別、顧客別、プロジェクト別など細分化された単位で業績を見ることで、「どのセグメントが伸びているのか、どこに手を打てばよいのか」が明確になります。会計システムの情報に加え、数量や時間など販売管理や生産管理システムなどの情報も活用することで、自社のビジネスに合わせたさまざまな切り口で業績を把握することができます。
各部門の業績を適切に評価・改善できる
部門ごとに業績の評価指標と責任範囲を決めることで、各部門が「何をどこまで目指せばよいのか」が明確になります。また、担当者が「自分の部署は目標を達成できるかどうか」「達成するためには何をすればよいのか」といったことを意識するようになり、経営感覚を身に付けることができます。未達成に終わった場合でも、その理由を踏まえて次の目標を立てることで、分析力や問題解決力が鍛えられます。
今後の見通しを立てられる
管理会計は過去から現在までの結果を評価するだけでなく、今後の見通しや業績向上に有用な判断基準としても役立てられます。予算に対する進捗はどうなっているか、最終的に実績はどれくらいになりそうか、来期の予算はどうするか等を検討をして、PDCAを回していくことが重要になります。
管理会計の指標
管理会計に用いられる指標は各企業によって千差万別です。例えば、小売業であれば店舗別、商品別、顧客別(性別や年齢)といった単位で売上や利益を分析します。製造業であれば、製品、製品分類、工場などという単位で、どのくらいの原価がかかったか、予定原価と実際原価の差異はどうなっているかなどの分析を行っていきます。
ERPであれば、会計情報以外にも得意先・仕入先の情報や受注・発注、売上・仕入のデータも持っています。統合データベースで管理されているデータをより見やすい形式で、かつリアルタイムに分析することが可能です。
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企業の成長に対応
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