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RPAとExcelの類似点~活用における考え方~
RPAツールが一般的となり、しばらく経ちます。しかし、「RPA試してみたが難しい」や「結局何ができるかよく分からない」というお声を多くいただきます。ここでは、Excelを題材にRPAの活用における考え方を整理します。
「使いこなすことが難しい」というRPAとExcelの共通点
例えば、当Webを担当している私たちも、Excelを日々業務で活用しています。しかし、Excelの機能を使いこなしているかというと、使いこなせてはいないのです。VBAを構築するスキルもなければ、ファイル同士でリレーションを組み、業務効率化に活用できているわけでもありません。Excelは非常に多機能・高機能であり、データ量によっては基幹業務システムとしても活用できるITツールですが、日々活用する機能はほんの一部にとどまっています。
Excelは各々のスキルで活用できる範囲で活用しているというのが現実ではないでしょうか。
実はRPAも同様です。使いこなすためには非常に幅広い知識とスキルが必要になりますが、日常業務で各々のスキルの範囲で活用することが可能です。
扱う人のスキルによって、効率化できる範囲・内容に差が出る。しかし、程度の差はあれ、業務は効率化する。
「使いたい!」という時に、手元にあるExcelと手元にないRPA
「使いたい!」という時に、Excelは手元にありますが、RPAは手元にないというケースがほとんどだと思います。日頃使わないRPAは難しく感じてしまうことが多いようです。しかし、Excelと同様で使いこなすことは難しくても、スキルにあわせて活用できるツールなので、「いつでも使える」という環境が、社内のRPA活用には重要かもしれません。
導入に関するハードル
Excelの導入時
Excelを導入する際、「活用の方法・範囲」「導入による費用対効果の算出」「導入後の効果測定」などを前提として導入される企業は少ないのではないでしょうか。Excelはあって当然のITツールとなっており、パソコンの購入時にExcelがインストール済であることが当然のように考えられています。
RPAの導入時
一方、RPAの導入時には、多くの企業が「活用の方法・範囲」「導入による費用対効果の算出」「導入後の効果測定」などを前提として、予算取りを行い、導入を検討することがほとんどです。しかし、RPAツールの性質上、繰り返し作業のあるさまざまな業務に活用できてしまう反面、「活用の方法・範囲」や「費用対効果」の策定が難しい面があります。経費精算の業務効率化であれば、経費精算専用のITツールの方が、RPAツールより使い勝手がよいのです。
RPAもExcelも便利なITツールだが、業務に特化した専用システムの方が導入の効果が出やすい
経費精算の業務に着目すると、ExcelやRPAを駆使して業務効率化も可能ですが、経費精算の専用システムを使用したほうが費用対効果も大きく、また使い勝手もよいことがほとんどです。専用システムの良いところは、その業務においては非常に優れたシステムであるところであり、RPAやExcelの良いところは、さまざまな業務において効率化を見込めるところです。
専用ツールと同様に、RPAでも「活用の範囲」「業務内容」を定めて、費用対効果を検討してしまうと、RPAツールの導入・活用がスムーズに行かないかもしれません。しかし、RPAツールをExcelと同様に、「いつでも活用することができる便利ツール」と位置付けますと、使う可能性のある部署ごとに、RPAを活用できる社員1名とRPA環境一つをご用意いただくことが、業務効率化の早道かもしれません。
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RPA導入のメリットとは
ある一つの業務に着目したとき、専用システムがあれば、RPAロボットによる効率化よりも専用システムによる効率化の方がよいかもしれません。ではRPAを導入するメリットはどのようなところにあるでしょうか。
何にでも活用できる
RPAを活用する一番のメリットは、繰り返しの作業が発生する全ての業務に活用が可能という点です。経費精算の専用システムは経費精算にしか活用できませんが、RPAであれば、経費精算業務、受注業務、レポート業務、メール業務など、さまざまな場面で活用できます。
各業務ごとに、マッチするシステムを探し、比較し、費用対効果を検討し、導入を検討するということをしなくても、RPA環境が各業務においてある程度の効率化が図れます。
外注するRPAロボットと内製するRPAロボット
RPAロボットの作成は、大塚商会×ユーザックシステム社で請け負うことが可能です。自動化したい業務をヒアリングさせていただき、RPAを使いこなすエンジニアメンバーにより、ロボットを作成します。大塚商会でのロボット作成の実績は多く、現在ではユーザックシステム社からもゴールドパートナーとして認定いただいています。
RPAツールは性質上、使えば使うほど費用対効果が出ます。難しいロボット作成は大塚商会にお任せいただき、比較的簡単に作成できるものは内製いただくと、費用対効果を最大化できます。
外注も選択肢とするRPAロボット~会社業務に直結するため、安定性が第一~
RPAをご利用いただいている方はすでにご存じかと思いますが、RPAロボットは作り方によって安定性が全く異なります。画像マッチングやクリック位置をピクセルで指定することにより、PC作業を非常に簡単に自動化できますが、こういった方法で作成したロボットはちょっとしたUIの変化(画面の変化)でロボットが停止してします。
より安定した稼働が求められるロボットに関しては、専門家に作成を依頼するという選択肢もあります。
【ロボット例1】交通費精算チェック業務(総務・経理部門への導入)
交通費精算の申請を基にWebの画面と照らし合わせ、最適なルートの金額かどうかの判定を行い、判定結果を申請者本人にメールで報告します。そこで修正点がある場合は再度チェック、問題なければ、自動で印刷処理を行う。
などの企業運営のベースになるような業務は安定性が重要なポイントになります。
【ロボット例2】受注情報のシステム投入(事務部門への導入)
人の判断が必要でないものに関してはそのまま受注管理システムに投入し、人の判断が必要な注文情報は、要確認フォルダーへ保管して通知メールを配信する(例:納地が遠方、受発注商品、コメント記載あり、など)。
などの業務の自動化も、安定稼働が求められるうえに、作業の分岐が多くある業務です。そもそも作成が難しいロボットであるので、内製が難しい場合は、ベンダーにご相談いただくとロボットの稼働が早まるかもしれません。
内製するRPAロボット~すぐに作れて、すぐに動かせることが第一~
上記の外注を選択肢として検討いただくRPAロボットに対し、内製での作成をお勧めするロボットもあります。RPAツールはいくつロボットを作成しても、経費は変わらないため、数多くのロボットを活用することが費用対効果を最大化します。1時間の業務の完全自動化することは難しいですが、5分の業務を1分に短縮するロボットは構築が比較的容易なことが多いです。
日々の業務の中で、データの抽出作業や、データの入力作業、転記作業、レポート業務など、「わざわざシステム化するほどではないが……」という業務をロボットに切り替えることで、一日の業務を効率化することが可能です。
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