物流費の上昇が業界全体に大きな影響を与えています。
企業の販売管理費率の状況を見ると、総体的にコスト環境が悪化。その背景にあるのは、昨今の労働力不足による配送費や庫内費など、物流費の高騰です。
一方、深刻な人手不足にある物流業界では、ドライバーの高齢化に加え、荷待ち時間の長さなども人手不足の大きな原因となっています。国土交通省の調査によると、食品流通はこの待機時間が全産業中最も多い結果となっており、荷待ち時間や荷役作業時間の長さ、および荷役作業の負担が大きい業界という認識もあるようです。
2019年7月には、全日本トラック協会から加工食品関連企業に対して「ホワイト物流」推進運動に基づくリードタイム延長の意見書が出されました。メーカーでは対応が始まっていますが、現状、そのしわ寄せは卸業に及んでいます。在庫の積み増しや倉出し物流の増加といったコスト負担など、物流費だけでなく庫内費もアップしている状況です。
今後も物流費の値上げは続くため、メーカー・卸・小売・物流パートナーが一緒に効率化に取り組み、継続的に配送効率の改善、庫内作業の省人化などで、物流費の抑制を図っていく必要があります。

