第32回 ともかくうごこう

皆さん、こんにちは!

一ヶ月に亘るブラジルでのワールドカップも終わってしまいましたね。
注目されていた日本代表は予選リーグ敗退という厳しい現実を突きつけられてしまい、残念な結果に終わってしましました。

ただ、最終的にはスーパースター・メッシやネイマール、ロッペン、C.ロナウドといった個人に頼っていた国は敗れ去り、組織の能力を前面に押し出したドイツが優勝したのは、「個人の能力 < 組織能力」を表した結果と言えるのではないでしょうか。スペインが早々に消えたことは正直、意外ではありましたが…。

ところで、今回は、「経営者がもたらす組織文化・企業風土への影響」を考えてみたいと思います。

■大手企業の子会社の経営者との会話から
この会社は超大手製造業の子会社です。現社長も、もともとはその超大手企業で勤めてこられ、主に製造部門を渡り歩いて来られ、国内外の工場長という職責を経験した上で、今の子会社の社長になられた方です。

この子会社は100%親会社資本であり、お客さんはその親会社のみ、と言っていい親会社依存の会社で、いわば安定したモデルで今まで来ていました。

とはいえ、このご時世、親会社自身でリストラがあったり、海外に製造拠点を移したりと環境変化はあるわけで、業績そのものは微減ながら、右肩下がりの状況でした。

そんな中、着任された現社長は、将来見据えた際に、いわゆる「危機感」を感じたそうです。

その危機感とは、【1】親会社依存のままでは会社がなくなってしまうのではないか?【2】親会社以外に新規のお客さんを求めるとしても、そもそもこの会社の強みは、世間的にみてどうなのか?【3】親会社依存の習慣で、従業員が自主的・自律的思考を見失ってしまっていないか? 元気がないのではないか? そして、【4】そういう状況にいながら、そのこと自体に本人たちが気がついていないのではないか? といったものでした。

そして、その社長は、そのメッセージを発信し始め、初めて中期計画の策定に取り組まれることになりました。

ところが、製造の工場管理・生産管理・効率性向上といった業務レベルの取組に関しては、経験も知見もありましたが、いざとなると「親会社でも、経営の勉強なんかしたことがない」という実態に気づき、中期計画策定をテーマに私たちとのご縁につながりました。

ここからが、この社長のエライところです。
色々な視点でヒアリングをさせていただいたり、ご自身の思考を深めてもらったりした訳ですが、気づいたことや吸収したこと全てを、次々に経営幹部の方々だけでなく全従業員と共有する時間を取り、伝えるための行動に腐心されておられます。

まだまだ始まったばかりの段階で、そんなにいきなり結果につながっているわけではありませんが、多くの従業員の皆さんのアンテナが明らかに立ち始めていることを感じています。

■大手企業の下請けから脱却した会社の経営者との会話から
こちらの会社も、資本関係こそないものの前述の会社同様に、大手製造業の下請け企業として長年ビジネスを拡大してこられた会社です。

20年近く前に、先代の2代目経営者が「1社依存ではいずれ立ち行かなくなる」との危機感から外部の新規顧客にも打って出る方向にシフトされ、現在の3代目社長に継承され、今では5:5に近い比率まで売上構造を変えてこられた会社です。

中小の製造業が新規顧客に打って出るには「尖った技術が不可欠」との認識から、相当に「尖った技術」に傾注して来られた結果として、今の状況を積み上げてこられました。

ところが、社長曰く「技術偏重経営の限界」を感じることがあり、早々に170名に及ぶ全従業員との面談を始め「働き方・働く意義」といった「思想・哲学」に近い部分の醸成の重要性を説き始めたそうです。

■ともかくうごこう
日ごろ、セミナー・研修・ファシリテーション等色々な形で多くの会社や経営者の方と接点を持たせていただいていますが、変革を実践出来ておられる会社・経営者の特徴は、上記の2社のような方々のような気がしています。
 
もう1社、数年前から取組を始め、顕著な成果を出しておられるある経営者の方から頂戴したメールの抜粋をご紹介させていただきます。

↓ ↓ ↓
~前略~
そばで見ていて言動が変わって行くのが面白いですし、私が幸せを感じられる時でもあります。
~中略~
ところで、恥ずかしい話ですが、最近、なぜ経営しているか聞かれると、「人が成長できる場を作るため」と答えるようになりました。今までやろうとしてきたこと、そして、ここ数年取り組んでいることは、「こういうことやったんやなぁ」と、いまさらながらやっとつながったように思えています。
~後略~
↑ ↑ ↑

私たちのキーワードに「ともかくうごこう」というのがあります。
これは「知る・覚える・動く・考える」の「知・覚・動・考」を取って「ともかくうごこう」と読んでいますが、知識として知り、納得して覚えた後に「どうしようか? 本当にできるのだろうか?今は忙しいしな・・・」と「考えた末にやらない(できない)」というケースに陥らないように「まず動いてしまう・やってみる」そうすることによって「うまくいく・いかない」に関わらず何かが起こるために「振り返る(考える)」ことで次の行動につながるといった意味合いを含んでいます。

自律的従業員育成や組織風土だけではありませんが、変革にはやはり一定の時間が掛かるものです。それを最初から覚悟して、地道に行動し続けることが重要なのではないでしょうか・・・。

引き続き、よろしくお願いいたします。

次回は8月27日(水)の更新予定です。

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当コラムを執筆しております弊社 三宅のワークショップを開催いたします。

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[A02]コース
競争力を支える「“自律的人財”を育む組織風土」を考える
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日時:2014年9月2日(火)15:00-18:15
会場:大塚商会 本社ビル3F
    東京都千代田区飯田橋2-18-4

▼下記のWebサイトからお申し込みください。

セミナー申し込みWebサイト

▼ワークショップ概要
2020年東京オリンピック開催決定も追い風にアベノミクス効果が上向き景気を支えていますが、一方で少子高齢化・人口減少が「採用の難しさ」に拍車をかけ「労働者不足」という形で具体的な経営課題として顕在化してきた今日、同じ業界・業種においても業績の二極化が進んでいます。
製品のコモディティ化を乗り越えるような新製品開発やアイデアを生むのも、お客様の期待を超える“おもてなし”サービスを提供するのも、それを実践する「従業員という人財」に他なりません。
今いる従業員は、どうすれば、そのような「自律的人財」になるのか、育つのか?そうした人財が育つ組織は、何をしているのか?
長期的繁栄・競争力を高める「経営品質向上プログラム」の視点から考えてみたいと思います。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピュータ営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績に繋がる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成のあり方を考える バックナンバー

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