第20回 「コイルセンター機能」を読み解く(かんばん編1)

前回は、コイルセンター在庫保管機能の紹介と鋼材流通全体におけるSCMとしての全体効率について提案させていただきました。
今回はこの在庫保管機能によって実現されている「かんばん方式」を鋼材供給の立場から簡単に解説させていただきます。

*下図「かんばん例」は部品名:Aの材料を1coil単位で「かんばん」回収後、翌日(サイクル:1-1-1)納品ケースです。

  1. コイルセンターから製造メーカーに、製造する部品の材料として製品コイルが「かんばん」とセットで納品される。
  2. 製造メーカーでは、部品製造時点に納品された製品コイルから「かんばん」を外し、回収場所にて保管。コイルセンターは事前に取り決めたタイミングにて「かんばん」回収を行う。
  3. コイルセンターでは回収した「かんばん」をもとに、在庫引当・加工引当が行われ、「かんばん」とセットで再び製品コイルが製造メーカーへ納品される。

以上が製造メーカーの「かんばん方式」を利用した、部品材料を調達するコイルセンター・製造メーカー間のSCMプロセスとなります。
実際にはいろいろ電子化の取り組みもなされていますが、基本的には「見える化」を踏まえた上でのフローとなっています。

このように「かんばん方式」の仕組みは至ってシンプルです。
そして製造メーカーは部品材料を必要な時に必要な量だけコイルセンターから調達することで、無駄な在庫の削減を行うだけでなくギリギリでの生産変更への対応も可能となります。

しかしシンプルな仕組みでも実際に運用をしてみると、いろいろな課題が浮き彫りになります。
たとえば、増産時・減産時の原コイル発注対応や生産計画と実績との差異対応などです。
詳しくは次回説明させていただきますが、どんな仕組みでも想定から外れた局面では発生した課題に対するには前提条件の設定やルール化の再検討が必要となります。

「かんばん方式」だけではありませんが、どのような手法でも適用することで、すべての問題が解決できるというものではありません。
常に問題意識を持ち、その手法を運用する上で発生する各種課題をルール化やいろいろな工夫で解決し続けることが必要となります。
さらに、その検討内容はコイルセンター・製造メーカーにかかわらず全体での協業をも踏まえたものとなるでしょう。
よく例えられる「木を見て、森を見て、再び木を見る」ということでしょうか。

次回はこの「かんばん方式」を下支えするコイルセンターでの供給体制のポイントについて紹介させていただきます。

次回は8月23日(金)更新の予定です。

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