年間100棟を目標に取り組む年商30億円弱の工務店のお話です。
ある日社長より電話があり電子契約をやりたいと言われました。以前「DXの取り組みとしてすぐに結果が出るものはあるか?」という話題でオススメしたことを覚えてくれたようです。その時は、「うちの規模だと時期尚早かな、面倒くさいし」と言われていました。
コロナ禍、住宅を建てたい顧客の条件は電子契約でした。今回は電子契約についてお話します。

年間100棟を目標に取り組む年商30億円弱の工務店のお話です。
ある日社長より電話があり電子契約をやりたいと言われました。以前「DXの取り組みとしてすぐに結果が出るものはあるか?」という話題でオススメしたことを覚えてくれたようです。その時は、「うちの規模だと時期尚早かな、面倒くさいし」と言われていました。

ところが内容を確認すると、お客様要望とのことでした。商圏は首都圏郊外の住宅であり、その頃はコロナ禍で、盛んにリモートワークが騒がれた時代です。リモートで仕事をしている方で、家賃の安い地方でも可能になり、どうせなら購入しようということでした。この工務店は場所柄、若い世代の一次取得がメインのため、ご多分に漏れず業績は厳しい時です。
お客様と商談すると数社競合の中、電子契約が可能かが条件だったようです。
「このご時世に互いに日時を決め、事務所か自宅で契約するのは効率が良くないし『書類を送りましたから、○○日までに返信ください』の方がコロナ禍でもあるし今風でスマートでしょ!」というご意見、さすがミレニアル世代ですね。
改めて会社のメリットとして、(電子契約の場合)収入印紙が不要になる点を説明しました。また大手Tホームでは、(印紙が不要になったことで)年間1億円の経費削減になっているという事例を紹介しました。
後日、お問い合わせいただいた社長は経理部へ印紙代が年間いくらかかっているか確認していました。
一生に数回しかない住宅取得は、絶対に面談で日取りの良い日に契約したいというお客様も多いかと思いますが、「対面でも電子契約でもいずれも可能です」という工務店は、施主にとってはありがたいはずです。

ちなみに私は大安吉日の対面で契約したい派です。
この記事の著者 プロフィール
大塚商会で、建設業にたずさわり、20年。当初、製造業・ビルメンテナンス業も兼任しましたが、建設業のみ担当は15年この間いろいろな方とお会い、興味あるお話を伺いました。思い起こせば、建設業の訪問は、2,000件を超えました。
本来SIerのマーケティング本部(私の立場)としては、製品開発にお客様の意見を反映し他社製品と差別化をはかり、営業部門へ販売促進策を提案するのが本分でありますが、せっかく、いろいろと「気付き」を教えてくれた建設業のお客様に、SIerとして心に残ったエピソードをお話したいと思います。もちろん、プロの皆様には、意に反していることも多々あるかと思いますが、そこは、しがないSIerの「建設業の与太話」として読んだもらえれば最高でございます。