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建設業者2,000社以上を商談したベテラン担当者のSIerが語る! いかした建設業
神棚のお話(第一弾)
建設業の事務所によく飾られている「神棚」。皆様はどのように飾られていますか?
この記事の著者 プロフィール
大塚商会で、建設業にたずさわり、20年。当初、製造業・ビルメンテナンス業も兼任しましたが、建設業のみ担当は15年この間いろいろな方とお会い、興味あるお話を伺いました。思い起こせば、建設業の訪問は、2,000件を超えました。
本来SIerのマーケティング本部(私の立場)としては、製品開発にお客様の意見を反映し他社製品と差別化をはかり、営業部門へ販売促進策提案するのが本文でありますが、せっかく、いろいろと「気付き」を教えてくれた建設業のお客様に、SIerとして心に残ったエピソードをお話したいと思います。もちろん、プロの皆様には、意に反していることも多々あるかと思いますが、そこは、しがないSIerの「建設業の与太話」として読んだもらえれば最高でございます。
神棚のお話(第一弾)
神棚をよく見るようになったきっかけ
建設業の事務所にお伺いすると、必ずといっていいほど神棚があります。東京オリンピック世代(1964年開催の方です!)の私は、あまり神棚の意味を理解していませんでした。
年商(完工高)5億の設備業の社長と創業時にお話ししたとき、その若い社長は独立したてでした。会社を設立し、まず神棚を祀った(まつった)そうです。商売繁盛もそうですか3K(きつい・汚い・危険…当時の3K)といわれる建設業従業員の安全も大事であり、むしろそれが主だとおしゃっていました。
それ以来、私は各企業の事務所を訪問する際に、神棚の存在を気にするようになりました。そうしてみてみると確かに、伺った建設業のお客様にはほとんど祀ってありました(まれに違うご商売の方々のところにもありますが……)。
神棚は誰が見ている?
後日、信用金庫に努めている大学時代の友人に会った時の話です。
彼は、建設業者に融資をする際、決算書・帝国データ・経営事項審査・ホームページなどなど、さまざまな資料参考にしますが、最後の判断材料は、経営者の「人となり」になるとのこと。ここが一番数字に出ないところで難しいそうです。その判断の助けになるのが、なんと神棚といっていました。
立派な神棚が良いというのではなく、見るのは榊だそうです。榊が枯れてないか、青々としているかを見て、その会社の経営姿勢の判断にしているといっていました。
神棚は、従業員より外部者がよく見ているのですね。
一度、自社の神棚を見直してはいかがでしょうか?