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建設業者2,000社以上と商談したベテラン担当者のSIerが語る! いかした建設業
2025年夏の賞与
先日、ある新聞に2025年夏の賞与企業ランキングが掲載されていました。今回は夏の賞与についてお話します。
2025年夏の賞与
今夏賞与ランキングで建設業4社がランクイン
先日、ある新聞に2025年夏の賞与企業ランキングが掲載されていました。私も気になりこのランキングは毎回見ていますが、10位以内に4社が建設業というのは、これまで記憶になく驚きです。この夏は、株価も建設業の年初来の高値更新で株式欄は白抜き文字(注)でした。ちなみにランクインしたほかの業種には製造業や運輸業、ITサービス業など、さまざまな業界が並んでいました。
参考:あの会社のボーナスは?日経調査(日本経済新聞webサイト)
10年前の2015年夏の賞与企業ランキングも気になり、合わせて見てみると10位以内に建設業は見当たりませんでした。やはり建設業は今、間違いなく上げ潮ですね。
- (注)昨年来の最高値、もしくは最安値の数値のこと
中小企業にも景気の風は吹くのか
このようなデータを基に中小企業の経営者の方とお話しすると元請けはともかく、協力会社はそうでもないと言われます。前向きな経営者の方は、「景気の風はまず山の上(大企業)に吹き、やがて裾野(中小企業)に届く」これからだよ!
また、以前から長くお付き合いのある社長は、こんなことを教えてくれました。一言で建設業といっても、会社の立ち位置によって、全然違うと。例えるなら、黒澤明監督の「7人の侍」の菊千代の言葉を教えてくれました。
「百姓ぐらい悪ずれした生き物はねえんだぜ!
米出せって言や、ねえ。麦出せって言や、ねえ。何もかもねえって言うんだ。
ところがあるんだ。何だってあるんだ。床板ひっぺがして掘ってみな。
そこになかったら納屋の隅だ。出てくる出てくる。瓶に入った米、塩、豆、酒。
……百姓ってのはなあ、けちんぼで、ずるくて……」
この業界は、重層下請構造で奥深く、毎日勉強させられます。
この記事の著者 プロフィール
大塚商会で、建設業にたずさわり、20年。当初、製造業・ビルメンテナンス業も兼任しましたが、建設業のみ担当は15年この間いろいろな方とお会い、興味あるお話を伺いました。思い起こせば、建設業の訪問は、2,000件を超えました。
本来SIerのマーケティング本部(私の立場)としては、製品開発にお客様の意見を反映し他社製品と差別化をはかり、営業部門へ販売促進策を提案するのが本分でありますが、せっかく、いろいろと「気付き」を教えてくれた建設業のお客様に、SIerとして心に残ったエピソードをお話したいと思います。もちろん、プロの皆様には、意に反していることも多々あるかと思いますが、そこは、しがないSIerの「建設業の与太話」として読んだもらえれば最高でございます。