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建設業者2,000社以上と商談したベテラン担当者のSIerが語る! いかした建設業
別荘の建築と模型づくり
国内有数の別荘地に店を構える工務店にお伺いした時の話です。
別荘の建築と模型づくり
別荘地のお客さま
国内有数の別荘地に店を構える、その工務店は全て注文住宅での受注にもかかわらず、仕事のない時はないとおっしゃっていました。
ある時、定年間近のお客さまが奥さまと相談に来たそうです。さすがに資金的な話もなく、どんな住まいにするかという内容からの相談だったそうです。写真や図面などをお見せしましたが、奥さまはあまりイメージできずに、とにかくキッチンの床は桜材を使いたいという要望でした。
基本設計に着手する前に内装の話が先に進み、細部にこだわる、よくある時間のかかるお客様と感じたそう。こういった傾向は、別荘地ではよくあるのだとか。
イメージを具現化
そこで、奥さまに完成イメージを伝えるために模型を作って、提案をしたところ、非常に喜ばれ、競合もなくすんなり契約となりました。お客様のご希望の断片をしっかり読み取り、それを具現化することで実際のイメージが伝わり、お互いにうれしい結果を導き出す。まさに経験とプロの技が光った案件だと思います。
その後、この模型を新築祝いとしてプレゼントしたところ、マタマタ感謝されたそうです。それに加え、ここに別荘をと考えている知り合いも紹介してくれているようです。
後日談
それ以来、社長は模型づくりが趣味になり、本業でも家づくりのために模型を作って、趣味でも模型を作って、もはや仕事なのか趣味なのか、よく分からなくなっているよと言っていました。
ちなみに、建物の中に置かれたその建物の模型、まるでよく見かける車のダッシュボードに置かれた車の置物みたいな感じですね。
- * 車のダッシュボードに飾りを置いて前方の視界を妨げてしまうと違反になってしまうこともあるので、ご注意ください。
この記事の著者 プロフィール
大塚商会で、建設業にたずさわり、20年。当初、製造業・ビルメンテナンス業も兼任しましたが、建設業のみ担当は15年この間いろいろな方とお会い、興味あるお話を伺いました。思い起こせば、建設業の訪問は、2,000件を超えました。
本来SIerのマーケティング本部(私の立場)としては、製品開発にお客様の意見を反映し他社製品と差別化をはかり、営業部門へ販売促進策提案するのが本文でありますが、せっかく、いろいろと「気付き」を教えてくれた建設業のお客様に、SIerとして心に残ったエピソードをお話したいと思います。もちろん、プロの皆様には、意に反していることも多々あるかと思いますが、そこは、しがないSIerの「建設業の与太話」として読んだもらえれば最高でございます。