第3回 PCを超えるスマホ対策

前回のコラムでは、「トータルマーケティング」を実現できるツール・“メールマーケティング”の効果的な活用方法について紹介しました。
今回は、拡大を続けるスマートフォン市場への対策について紹介したいと思います。

● スマートフォン市場の急激な拡大

これは、2011年の7月にMM総研が発表した「スマートフォン市場規模の推移・予測」のグラフです。スマートフォンユーザの数が急激に増加しているのがわかります。
携帯電話利用者におけるスマートフォンユーザの割合が50%を超える日がくるのも、そう遠くないといわれています。

「スマートフォン市場規模の推移・予測」(株式会社 M M 総研様 Webサイト)

スマートフォンユーザの増加に伴い、スマートフォン経由でのECサイトへのアクセス数も増加してきています。ある調査によれば、ECサイトへのアクセス数の約20%がスマホ経由であるという結果も出ているようですが、メルマガ等からの誘導比率が高いアパレル系ECサイトではもっと高い数値が出るのではないでしょうか。

こうしたスマートフォン市場の拡大が、今、大きな“変化”を起こそうとしています。
PCからモバイル(携帯電話)へと「デバイス」が変化したとき以上の変化がこれから起こる・既に起こり始めていると私は強く感じています。

その“変化”のカギを握っているのは、スマートフォン用“アプリ”です。

Googleが世界30カ国のスマートフォンユーザを対象にした調査の結果によると、日本のスマートフォンユーザがインストールしているアプリ数は平均45個で、30カ国中最多だったそうです(2011年10月27日のGoogle AdWords 日本版 公式ブログから)。
日本国内において、スマートフォンの利用者が増えれば増える程、アプリへの注目度・アプリの重要度が増していくのは当然の流れだといえるでしょう。

▼「日本のスマートフォン利用者がインストールしたアプリの数は平均45」(Wireless Wire News)

日本のスマートフォン利用者がインストールしたアプリの数は平均45
(WirelessWire News 2011年12月14日 記事)

● 最強のブランディングツール“アプリ”

利用者側から見た“アプリ”利用のメリットは

「一度ダウンロードすれば、“トップ画面”にアプリのアイコンが表示され、その後は直接のアクセスが可能である」

というユーザビリティの高さでしょう。
また、アプリを使えば自分好みのトップ画面にカスタマイズできるということも魅力の一つだろうと思います。

では、アプリを作る側(=ブランド側)のメリットは何なのでしょうか。

それは

「一度ダウンロードしてもらえれば、顧客が持つスマートフォンの“トップ画面”にアプリのアイコン(自社ブランドのロゴ等)を常時表示させることができる」

ということに他なりません。
これはブランディング戦略やプロモーション戦略を進める上で、非常に大きなメリットになります。

 ・ スマートフォンを見る度に、自社ブランドのロゴを目“見せる”ことによる効果
 ・ アプリを経由することによって、ストレスなく自社のサイトへの誘導ができる(=ファンを自社のアプリ経由で囲い込める)効果

この2つの効果は絶大です。

弊社がアプリを作成した某クライアント様からは「渋谷の交差点に1,000万円以上を出して広告を出すよりも、数百万の製作費をかけてアプリを作成・リリースした方がブランド力を高めてくれた!」という意見をいただきました。
「「(アプリを)やらない」という会社が信じられない!」とも…。

いずれのブランドも「顧客とのタッチポイント増加」や「プロモーションの一環」、「店舗(リアル・EC)への送客」を目的としてアプリをリリースすると思いますが、それ以上の大きな効果がアプリにはあるのだと思います。

● 「1アプリ=1目的」

ユーザがアプリに求めているのは“シンプルさ”。
「あれもこれも」と欲張りすぎたアプリは、ユーザから敬遠されがちです。

「ブランドの認知を上げる」ことが目的であれば、ブランドロゴを全面に押し出し、そのブランドイメージを印象付けるようなアプリを開発する。

「期間限定のプロモーションを盛り上げる」ことが目的であれば、プロモーションごとにゲーム性を持たせたアプリを開発する。

「1アプリ=1目的」でのアプリ開発。
WEGOやURのアプリは前者の色合いが強く、Beamsやローリーズファームは後者のやり方でアプリをうまく活用しています。

スマートフォン市場が拡大する中、アプリの活用もますます活発化することは間違いありません。近い将来…「アプリ」がないことが“ありえない”、「アプリ」がないとブランド認知すらされない…そんな状況がやってくるかもしれないのです。

ここで紹介した以外にも、スマートフォンという新デバイスの登場があらゆる場面で「変化」をもたらしはじめています。
最近盛んに言われている「O2O ~ Online 2 Offline ~」という言葉もその一つです。「O2O」はこれまでのマーケティングの概念を大きく変えることになるでしょう。
いわば「IT」によるマーケティングの大改革。それが現在進行形で進んでいます。

次回は、「大革命」とは一体何なのかについて詳しく紹介したいと思います。
(2012年3月13日更新予定 「第4回 Webとリアルの融合」)

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この記事の著者

株式会社アパレルウェブ 執行役員 事業本部 本部長

杉本 慎太郎

2004年にアパレルウェブ入社。西日本エリアのソリューション営業を担当し、2011年から現職。
株式会社アパレルウェブ

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