第8回 Point2 評価制度の見える化-昇給原資の心配は無用-

人事評価を「絶対評価」とした場合、社員全員が高評価であったら全員の給与を上げなければなりません。そこで不安になるのが給与原資の確保です。しかし、その心配は無用です。その理由をお伝えします。

昇給原資の心配は無用

絶対評価で行動目標の達成状況を評価して、もし社員全員が高い評価であったら、全員の給与が上がることになります。給与原資は大丈夫かという心配も生じるでしょう。
しかし、心配はいりません。行動目標の評価点だけが独り歩きするということはありません。行動目標の評価点と会社の業績とは連動します。確率論や統計学の「大数の法則」を考えると、行動目標の評価点と会社の業績とは近似するはずなのです。こうした理解のもとに、絶対評価を推奨しています。

公正な絶対評価で社員全員が高い評価点であれば、それは全社員が成長しているということです。会社の業績も向上していて、昇給原資も確保できているはずです。

会社の業績に応じた評価点・評価ランクの人数分布を予測して、業績と連動した昇降給の原資を予算化することもできます。

経営会議で会社の業績が上振れしたとき、あるいは下振れしたときにはこの評価点・評価ランクは、だいたいこんな人数になるであろうと重要業績評価指標(KPI)の達成度と照らし合わせて人数分布をシミュレーションしてみるのです。

例えば会社の業績達成率が120%以上の場合であれば、「86点以上の8が1%、76~85点の6が3%、71~75点の4が5%、66~70点の3が10%、61~65点の2が28%、56~60点の1が35%、51~55点の0が10%、46~50点のマイナス1が4%、36~45点のマイナス2が3%、35点以下のマイナス4が1%」となるであろうといったシミュレーションができるはずです。

誤解のないように付け加えると、この場合の人数分布は、相対評価のようにその評価点に人数を割り当てるということではありません。会社の業績達成率が120%以上の場合には、評価ランクが1の人は35%くらいであろうといった予測です。
その予測をもとに昇降給の原資を予算化するわけです。そうしておけば、給与原資は大丈夫だろうかという心配もなくなります。

社員数が万単位の超大企業でも、評価制度を見える化し、絶対評価で運用できるはずです。そうなることが私の夢です。そのときは日本のホワイトカラーはもっと頑張り、労働生産性が今よりずっと向上すると思っています。

次回は5月8日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社あしたのチーム 代表取締役社長/給与コンサルタント

高橋 恭介

株式会社あしたのチーム代表取締役社長。1974年千葉県生まれ。大学卒業後、興銀リース株式会社に入社し2年間リース営業と財務を経験。2002年、ベンチャー企業であったプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わり、当時数十名だった同社を500人規模にまでに成長させブライダルジュエリー業界シェア1位にまで成長させた。2008年には、同社での経験を生かしリーマンショックの直後に株式会社あしたのチームを設立、代表取締役社長に就任する。現在、国内19拠点、台湾・シンガポールに現地法人を設立するまでに成長。1,000社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・運用実績を持つ。給与コンサルタントとして数々のセミナーの講師も務める。
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