第6回 Point2 評価制度の見える化-絶対評価を採用する-

公正な人事評価を行うために採用すべき「絶対評価」について、その理由と必要性とをお伝えします。

絶対評価を採用する

社員を大切にする会社の条件の二つ目は、「評価制度が見える化(可視化)されている」ことです。そのためには、「相対評価」をやめて、「絶対評価」を採用する必要があります。

相対評価は、部門全体や会社全体の中で、被評価者の成績を序列化し、相対的な関係で評価する方式です。例えば、最上位の「S」の評価は「5%」というように、分布基準を設けるなどし、これに基づいて評価結果を決定します。絶対評価は、部門全体や会社全体の中での相対的な関係は考慮せず、被評価者の成績を客観的基準だけで評価する方式です。

相対評価が良くない理由は、本来の社員のパフォーマンスより高い評価になったり、逆に低い評価になったりして、公正な評価にならないケースが多いからです。

相対評価では、ほかの人がみんな低い評価であれば、絶対評価なら「B」の人が「A」になり、ほかの人がみんな高い評価であれば、絶対評価なら「B」の人が「C」になることもあります。

また、相対評価では、評価点の1点が持つ意味が薄くなっていきます。だいたいは、評価者が、被評価者に対して良い評価点を出しはじめます。
どういうことかというと、評価者が、「自分だけが部下に対して厳正に評価しても、ほかの評価者が自分の部下に甘い評価を下したら、相対的に負けてしまう。だったら、自分の部下を守るという観点から高めの評価をしておかなければだめだろう」と考えてシビアな評価をしなくなるのです。それで、評価点が形がい化してしまいます。

「絶対評価にしませんか」と提案すると、「うちの評価者の評価点は甘いんです。甘いから絶対評価にはできないんです」と答える経営者がいます。
そこで私は、「甘くならないようにして、絶対評価にしませんか」と再度提案をしています。そういう会社は、何年かは相対評価でもしかたがないと思います。でも、相対評価で良いということは一つもありません。

目標設定が適切で、プロセスマネジメントをし、公正に評価できるようになったら、そのまま絶対評価に移行すれば良いわけです。それを成し得ていない要素をつぶしていき、将来的には絶対評価にしないと、効果体系の見える化は実現できません。

相対評価というのは、結局は「ブラックボックス」です。「この評価は何%の人に割り振って…」ということをやっていると、被評価者にとっては納得のいかない評価になります。

全部ガラス張りにすること、これが理想です。絶対評価は大手企業では難しいというのは百も承知しています。しかし、理想を追求しなければ、評価制度という生き物は成長しません。目標の難易度が適切で正当に設定されており、評価も公正に下されるようになれば絶対評価で運用できるはずです。

次回は3月13日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社あしたのチーム 代表取締役社長/給与コンサルタント

高橋 恭介

株式会社あしたのチーム代表取締役社長。1974年千葉県生まれ。大学卒業後、興銀リース株式会社に入社し2年間リース営業と財務を経験。2002年、ベンチャー企業であったプリモ・ジャパン株式会社に入社。副社長として人事業務に携わり、当時数十名だった同社を500人規模にまでに成長させブライダルジュエリー業界シェア1位にまで成長させた。2008年には、同社での経験を生かしリーマンショックの直後に株式会社あしたのチームを設立、代表取締役社長に就任する。現在、国内19拠点、台湾・シンガポールに現地法人を設立するまでに成長。1,000社を超える中小・ベンチャー企業に対して人事評価制度の構築・運用実績を持つ。給与コンサルタントとして数々のセミナーの講師も務める。
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