第15回 ISO/IEC国際標準化会議

11月18日~22日フランスで行われたISO/IEC25000シリーズの国際規格に関する会議に参加してきました。
正式にはJTC1 SC7/WG6というソフトウェアの品質に関する国際標準化規格を検討する会議です。
世界中からこの規格に興味がある専門家が委員として参加し、現状に合わせた内容に規格を更新したり、必要な新しい規格を作成したりします。
ISOは国際標準化機構International Organization for Standardizationの略であることはご承知だと思いますが民間ベースで運用されていることはあまり知られていないようです。
IECは国際電気標準会議のことでソフトウェア含む情報分野はISOとIECが共同で会議を開催しJTC1と呼んでいます。
日本は日本工業標準調査会(JISC)が窓口となり情報系は情報処理学会の会員が委員となって参加します。

私の役割は、会議で日本が制度化したパッケージソフトウェア品質認証制度(PSQ認証制度)についてのプレゼンを行い、同様な制度を行っている国と相互認証を行えるように交渉することでした。
結果はフランスと韓国が制度化しており具体的な契約作業を行うこととなりました。
その他の国として中国やイギリスそれにチェコ等の委員と話しましたが、ソフトウェア品質の向上は必須と考えているが提供側の企業の意識はまだまだ低く、不具合があったら直せばよいとの見解で制度化が必要であるという環境にはまだないとの意見でした。
参加している各国の委員は大学教授か博士号を持つ企業の研究者レベルの人たちが大半でした。世界会議と言っても原案が事務局で準備されておりそれを審議するだけと思っていました。
しかし実態は一文一文しっかり読み込み、他の規格との整合性を確認し、表現が標準的で各国でローカライズした場合でも同じ意味として受け取れる表現を徹底的に話し合って決めていました。
基本は英語表現なので語学力のない私ではヒアリングするのが精一杯でした。
専門WGに分かれて会議を行い、修正・加筆された文書はその場でISO本部が管理するサーバに登録され当日参加していない委員からの意見も即時で受け付ける仕組みとなっていました。
文書には段階があり最終的に合意がとれると国際標準(IS)文書として出版されます。
その責任は各WGの委員長に委ねられています。今回のWGに出席している委員は25名程度でした。
世界的に影響度合いが大きい規格や注目度のあるWGは桁違いの出席者数とのことですがソフトウェア品質に関する委員会は少数精鋭で進められているようです。
参加するまでは国際会議場のような大きな会場で何百人が参加し、採決しているイメージでしたのでいささか驚きでした。

国際標準は、品質を維持し判断する「ものさし」であり「はかり」です。
同じ製品を使っても「良い」と判断する人も「悪い」と判断する人もいます。
その場合に自社の製品は国際標準規格ISO/IECの何番の要求事項に沿った製品であり第三者機関で確認、認証された製品であると説明するのと、自社の品質管理部がしっかり確認した製品であると主張するのと、どちらに説明力・説得力があるかは一目瞭然です。

ある大手グループウェアの社長が言っていました。「売れてくると社内の雰囲気が緩み自然に品質が落ちてくる。定期的に外圧による品質チェックがあることは大変に助かる。」
企業における会計監査と同じ考え方かもしれません。

次回は12月26日(木)の更新予定です。

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この記事の著者

日本ナレッジ株式会社 代表取締役社長

藤井 洋一

1957年生まれ。大学卒業後、金融機関を経て27歳で創業。業種に特化したパッケージソフトウェア開発を中心にビジネス展開し、2005年からソフトウェアの品質向上の手法として、第三者検証の有効性と必要性を説き事業化。
一般社団法人 IT検証産業協会 副会長
一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 理事兼PSQ品質基準委員会 委員長
著書:
「スポーツでの映像システム活用法」 日本文化出版
「IT検証技術者認定試験 知識試験テキスト」 BCN
日本ナレッジ株式会社

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