第29回 ソフトウェア試験の国際標準規格ISO/IEC/IEEE 29119が公開~「ソフトウェア試験の概念」-完了プロセスと報告-~

前回は番外編として上海の現状報告をしました。
今回から、試験マネジメントプロセスに戻りお話を進めます。第29回まで、このプロセスでは、計画を策定したら、各試験が計画通りに実施されて進捗しているかを監視して必要に応じて管理するプロセスであると解説をしました。計画して実行・管理したら最後は完了におけるプロセスとなります。

完了プロセスはテスト活動が終了したという合意が得られた場合に実行されます。このプロセスの目的は、有用なテスト資産を後の使用のために利用可能とし、有効なテスト環境を残し、結果を記録し関連する利害関係者に報告する活動です。完了プロセスの成果としては下記の内容を残す必要があります。
 ・テスト資産を有効な状態で保管するか引渡す
 ・テスト環境を合意された状態に保ち、次のテストで利用可能とする
 ・完了報告書は、重要事項が記録され、承認され、利害関係者に報告されること

また、同時に報告書を作成することが必須です。テスト完了報告書は、実行されたテストの概要を報告します。報告書はプロジェクトの全体または特別なサブプロセス単位で報告を行います。報告書の内容は、実行されたテストの要約を記述します。何がどのようにテストされたかの詳細を説明し、どのように実行されたのかを報告します。計画書に対して実行された状況や計画書からからの逸脱があった場合は、逸脱理由の説明、是正のための処理の記述、未処理のリスクを記述します。
また、テスト完了報告する根拠として特定のテスト完了基準にどの程度合致しているか記述します。必要に応じてなぜ基準に合致しなかったかを説明する事も大切です。未処理のリスクがある場合にはそれに対する処理策を記述することも重要です。進捗を阻害した要因およびそれを除去した解決策を記述しておくと、実行資産として蓄積することができます。
報告書は文書としてだけではなく、テストの全体状況を測定量としてグラフや表として提示するとより分かりやすくなります。ソフトウェア試験におけるPLAN、DO、CHECKの最終報告書であり、次回に同様の試験を行う場合を想定して作成すると非常に有効な資料となります。

次回は9月30日(水)更新予定です。

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この記事の著者

日本ナレッジ株式会社 代表取締役社長

藤井 洋一

1957年生まれ。大学卒業後、金融機関を経て27歳で創業。業種に特化したパッケージソフトウェア開発を中心にビジネス展開し、2005年からソフトウェアの品質向上の手法として、第三者検証の有効性と必要性を説き事業化。
一般社団法人 IT検証産業協会 副会長
一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 理事兼PSQ品質基準委員会 委員長
著書:
「スポーツでの映像システム活用法」 日本文化出版
「IT検証技術者認定試験 知識試験テキスト」 BCN
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