第8回 「ソフトウェア品質特性」(2)

前回にソフトウェア品質特性の概要についてお話ししましたが、もう少し詳しく解説していきます。

ソフトウェア製品の品質に関する規格は、国際規格ISO/IEC、国内規格JISともに25010が基準となります。
業界では「SQuaRE」シリーズと呼ばれ品質要求および評価の基準を示した規格です。

内部品質として下記6特性があります。
【1】機能性 【2】信頼性 【3】使用性 【4】効率性 【5】保守性 【6】移植性

実はこの特性もまさに時代に合わせて常に改正しています。
JISの最新版は2011年にJISX25010として作成されていますが、次のバージョンの検討が行われており、来年度以降になりますが世界規格会議で検討されています。
主な検討課題は、上記6特性の中の機能性に含まれていた副特性の「相互運用性」を「互換性」とし「セキュリティ」と合わせて内部品質に格上げされる予定です。

セキュリティはIT社会を進めるうえで最大の課題であり、重要な品質特性となっていますので当然の判断と言えます。
直近の3月20日に韓国では放送局や銀行がハッキング被害を受けました。
放送局の編集システムがダウンし放送ができなくなったり、銀行では預金が引き出せなかったり、送金ができずビジネス決済ができないなどの実害がでています。
国内でも個人情報の流出や、なりすましによるメールで誤認逮捕された事件があり国民生活を脅かすサイバーテロと言えます。
残念ながらこの手の攻撃からすべてを守るセキュリティシステムはありません。
相応の知識を有した技術者が悪意を持って操作をすればあらゆることが実現できてしまうのもIT環境のデメリットです。
それだけに今できうる最大のセキュリティ対策を継続することで将来的には安全性の高いIT社会が実現できます。
また、互換性についてですが従来ソフトウェア製品は一定の動作環境を制限することでその機能性について品質を検証してきました。

しかし、iPadの出現や新しいOSの登場で共存や相互運用性が要求され制限を拡大する必要が出てきました。
まさにパソコンやタブレットPCの垣根が無くなりどんな状況でも完全に正確に動作さることが要求されているということです。
その中でもスマートフォン(スマホ)の影響は大きく、国内ではスマホで稼働しないアプリは売れないとまで言われています。
厄介なのでこのスマホでアンドロイドOSの無料化で多くのメーカーが採用しましたが、共通部分はよいのですがバージョンの数とメーカーの数分だけOSの違いがあると言われ、標準のJAVAベースで開発しても実際のスマホで動作確認しないと不具合が確認できません。

パソコンであればOSのバージョンについてはある程度浸透していますが、スマホのOSに関しては一般のユーザは全く意識することなく使用していますので正しく動作しないとのクレームにより発覚する不具合も多々あります。
今後、この方面のアプリ開発を予定している企業は十分な注意が必要です。

ここまでの話は品質モデルの中の製品品質についての改正点を述べましたが、利用時の品質も大きく改正される予定です。
この点については次回にお話ししますがリスク回避や利用状況網羅性といった新しい観点での品質要求もあります。
製品やサービスを提供する企業としては、変化する品質要求しいてはユーザ要求にしっかり応えることが業績UPとなりますので、次回も必読ください。

次回は4月25日(木)の更新予定です。

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この記事の著者

日本ナレッジ株式会社 代表取締役社長

藤井 洋一

1957年生まれ。大学卒業後、金融機関を経て27歳で創業。業種に特化したパッケージソフトウェア開発を中心にビジネス展開し、2005年からソフトウェアの品質向上の手法として、第三者検証の有効性と必要性を説き事業化。
一般社団法人 IT検証産業協会 副会長
一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 理事兼PSQ品質基準委員会 委員長
著書:
「スポーツでの映像システム活用法」 日本文化出版
「IT検証技術者認定試験 知識試験テキスト」 BCN
日本ナレッジ株式会社

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