第49回 「つながる世界の品質指針検討ワーキング・グループ」についてI

2017年7月に独立法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センターにおいて「つながる世界の品質指針検討ワーキング・グループ」が発足しました。IoT機器・システムの品質確保に向けた指針の検討を目的とし、「IoT製品・システムの品質確保ガイドブック」(仮)の作成を目指しています。

「つながる世界の品質指針検討ワーキング・グループ」についてI

2017年7月に独立法人情報処理推進機構 技術本部 ソフトウェア高信頼化センター(以下IPA/SECと略す)において「つながる世界の品質指針検討ワーキング・グループ」が発足しました。

今回私は、裏方としてデータを提供する立場で参加しております。

このワーキング・グループでは、IoT機器・システムの品質確保に向けた指針の検討を目的としています。IoT機器・システムの「設計レビュー」や「検証評価」、またそれらの「管理」のためのガイド類を整備し、「IoT製品・システムの品質確保ガイドブック」(仮)の作成を目指しています。
IPA/SECでは2016年3月、「つながる世界の開発指針」を策定しています。同指針ではIoT製品・システム開発時に考慮すべきポイントを提示しています。これに対して、本ワーキング・グループで示す指針は、IoT機器・システムの品質確保に焦点を当てたものです。品質の確保のためには、開発と同時に検証を行うことが重要であり、設計工程における品質確保や、テスト工程における検証/評価、そして、その管理に着目して、検討を実施しています。

あらゆる産業分野において、IoT製品・システム開発が進んでいます。単体の製品やシステムの品質が問題なくてもネットワークを介してつながることにより、想定していなかった障害やセキュリティ事故が発生する可能性が大きくなっていると共に品質の確保がとても困難になっています。この問題を解決する指針となるのが今回のガイドブックです。
本コラムでは繰り返し書いていますが、ソフトウェアの品質を100%のレベルにすることはAI技術を駆使してもできません。また、コストに見合う限度があることも事実です。
このワーキング・グループで検討しているのはあくまで指針レベルですので、各社が取り組んでいる製品・システムの社会的重要性に沿った効率的なテストを行い、そのプロセスを残し妥当性を証明できるようにしておくことが重要です。

次回は、ガイドブックの概要を紹介します。

次回は3月22日(木)更新予定です。

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この記事の著者

日本ナレッジ株式会社 代表取締役社長

藤井 洋一

1957年生まれ。大学卒業後、金融機関を経て27歳で創業。業種に特化したパッケージソフトウェア開発を中心にビジネス展開し、2005年からソフトウェアの品質向上の手法として、第三者検証の有効性と必要性を説き事業化。
一般社団法人 IT検証産業協会 会長
一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会 理事兼PSQ品質基準委員会 委員長
著書:
「スポーツでの映像システム活用法」 日本文化出版
「IT検証技術者認定試験 知識試験テキスト」 BCN
日本ナレッジ株式会社

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