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最終回 緊急事態宣言解除!「今をしのぐ働き方」から「今を機に変える働き方」へ
2020年5月25日、緊急事態宣言が解除されました。これを受けて、首都圏に本社を置く企業も事業活動の正常化に向けて動き始めましたが、当面はテレワーク(在宅勤務含む)を続ける企業も少なくありません。一方で、既に一部の企業では、段階的に出社人数を増やすといった対応をとる企業が出ています。
緊急事態宣言解除!「今をしのぐ働き方」から「今を機に変える働き方」へ
7割以上が「収束後も在宅勤務を継続したほうがよい」
エス・ピー・ネットワーク社が実施した調査結果によると、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で導入が増える在宅勤務について、7割以上(73.9%)が新型コロナウイルス感染症の収束後も在宅勤務を継続したほうがよいと回答したことが分かりました。同調査で「とても働きにくくなった」と回答した層でも、62.4%が継続したほうがよいとしており、収束後も新しい働き方の一つとして在宅勤務を取り入れることが望まれています。
また、働きやすさの変化については、全て在宅勤務となった場合、在宅勤務と出社の両方がある場合のいずれも「変わらない(23.9%)」が最も多い結果となりました。別の調査(ランクアップ社)でも、約8割が「会社へ出社していた時代より生産性が上がった」との結果もあり、少なくともコロナ禍は、従来の働き方を見直す機会になったことは間違いありません。
一方で、在宅勤務を実施して分かったことは決して少なくなく、そうした課題とともに、あらためてテレワークのメリットを整理する必要があるでしょう。
テレワークを始めると、会社が成長する?
テレワークとは、「tele=離れたところで」と「work=働く」を合わせた造語であり、ICT(情報通信技術)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことをいいます。普段の職場と違った「離れたところで働く」からさまざまな課題が発生し、その課題解決のためにICTの活用が必要になります。そして、ICTを活用して働き方を変えることが、今後の企業に求められることになります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅勤務を主にテレワークの導入が急速に普及しました。ただ、このテレワークを「その場しのぎ」のためだけの導入にしてはなりません。コロナ禍により、各企業にとっては少なからず気づきはあったことでしょう。
総務省はテレワークのメリットについて、「社会・企業・就業者の3方向にさまざまな効果をもたらす」としています(右図)。
「今をしのぐ働き方」から「今を機に変える働き方」へ。緊急事態宣言の解除を機に、「元に戻る会社」となるか、「進化する会社」となるか、ここは大きな分岐点といえるでしょう。
編集後記
今回を最後に「まちでん便り」のコラム連載を終了します。
2014年10月のスタートから5年9カ月、ご愛読いただき、誠にありがとうございました。「まちでん便り」は終了しますが、大塚商会は今後もさまざまな形で“旬なIT情報”をお届けしてまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。ありがとうございました。