第61回 「ブラック企業マップ」、わが社の名前が載らないために、今すぐやるべき対策とは?

「ブラック企業マップ」をご存じでしょうか。2018年に登場したこのマップは、厚生労働省が公表している「労働基準関係法令違反に係る公表事案」に掲載された企業を、日本地図上にドクロマークのピンを立ててマッピングし、可視化したWebサイトです。日本全国がドクロマークで覆い尽くされているため、見た人は驚きを感じるのではないでしょうか。今回は、いわゆる“ブラック企業”とならないために、企業が今すぐやるべき対策についてお伝えします。

「ブラック企業マップ」、わが社の名前が載らないために、今すぐやるべき対策とは?

長時間労働の削減は喫緊の課題

厚生労働省は、同省のWebサイトに「我が国においては依然として長時間労働が問題となっており、長時間労働の削減は喫緊の課題です。これに取り組むため、『働き方の見直し』に向けた企業への働きかけや、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導の徹底等を行っています。」と明記し、長時間労働削減に向けた取り組みを行っています。その一環として、同サイトに「労働基準関係法令違反に係る公表事案」というリストを掲載しています。
このリストは、過去1年間の各都道府県の労働局において、労働法関連の法令違反によって送検された事業所をまとめたもので、1カ月ごとに更新されています。各都道府県の労働局の公表時には匿名とされていた会社も、このリストで全て実名公表されていることもあり、「ブラック企業リスト」という呼ばれ方もしています(それをマップ化したのが「ブラック企業マップ」です)。

ブラック企業マップ
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2019年4月の「働き方改革関連法」の施行により、残業時間の上限規制に取り組む企業が増えています。違反すれば罰則(6カ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金)だけでなく、違反企業として厚生労働省のサイトに実名公表されてしまいます。その影響(=信用失墜)は、企業としては是が非でも避ける必要があり、そのための対策は急務といえます。

労働基準関係法令違反に係る公表事案
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働き方を変えるために「IT」を!

株式会社ロックシステムが実施した「ブラック企業に関するオンラインアンケート」によると、「長時間」「低賃金」「上司」がブラック企業と感じる三大要素として全体の8割以上を占めました。中でも「長時間」は全体の30%を占め、社内・社外のどちらにおいても、重要課題であることが分かりました。

とはいえ、ただ長時間労働を是正するために「早く帰りなさい」と時短を促しても、業務量が変わらなければ結局仕事が終わらず、持ち帰り残業の発生や仕事の質の低下、ストレス蓄積などにつながります。

そこで、ITの力が必要になります。ITによる「仕組みの導入・活用」により、例えば勤務実態を把握して現状と課題を見えるようにする、一斉消灯を実施して帰るきっかけを作りムダな残業を減らす、さらにはテレワークなどの柔軟な働き方の提供や、RPA・AIなどを活用した業務効率の向上を図るなど、さまざまな効果が期待できます。働き方を変えるために「IT」の活用を。ぜひ、この機会にご検討ください。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 マーケティング本部

井川 雄二

1997年 大塚商会入社。主に複合機をお客様に提案する営業担当から始まり、現在はその経験を生かしてマーケティング本部として営業支援を行っている。ITにまつわる情報収集に長けており、全国各地のイベントでは年間数十回のセミナー講演を実施し、その情報を余すことなくお客様に伝えている。その講演内容がとてもわかりやすいと評判。

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