第17回 マイナンバー制度開始!「先延ばし」?「委託」? 企業はどう対応する!?

2016年1月、ついにマイナンバー制度が開始しました。帝国データバンクの調査結果によれば(2015年10月)、マイナンバー制度の認知については「内容も含めて知っている」と回答した企業は75.0%と、4社に3社の割合となりました。半年前の前回調査(43.5%)から31.5ポイントも増加し、企業の認知度は大きく進みました。
一方で、自社のマイナンバー制度への対応状況については、「対応は完了した」という企業はわずか6.4%で、依然として1割に達していない状況が浮き彫りとなりました。また、制度開始目前であった昨年末にかけて、中堅・中小企業を中心に対応を先延ばししたり、まずは社労士・税理士に任せたり、という声が多く聞かれました。

今回は、中堅・中小企業のマイナンバー対策について、2つのポイントに絞ってお伝えします。

マイナンバー制度への対応 「先延ばし」は、是か非か?

昨年末、年末調整業務に関わる税務署や市区町村に提出する書類は、「合計表」が様式のみ変わったものの、主となる源泉徴収票や支払調書などではマイナンバーの記載が求められる書類はありませんでした。そのため、従業員やその扶養家族などのマイナンバー収集だけでなく、システム導入などの対応自体を先延ばしする企業も少なくありませんでした。

しかし、制度開始となった1月以降は違ってきます。例えば、社員の入社・退職・休職などがあった場合は、各種提出書類にマイナンバーを記載しなければならないため、事前にマイナンバーを収集しておく必要があります(例.入社:雇用保険被保険者資格取得届、退職:退職所得の源泉徴収票、休職:育児休業給付⾦⽀給申請書 など)。また、先延ばしすることで通知カードを無くしてしまう人が出てくる可能性も十分あり得ます。

こうしたことから、安全管理措置など必要な準備が整い次第、早い段階で収集することが望ましいでしょう。

安易な“おまかせ”は再考を!社労士・税理士などへの「委託」で確認すべきこととは?

「うちは社労士・税理士に任せるから」 このような企業の声をよく耳にします。たしかに、マイナンバーを取り扱う業務(社会保険関連書類の作成、源泉徴収票の作成の事務など)を外部の社会保険労務士事務所や税理士事務所に委託することは可能です。しかし、委託する場合は委託先で適切な安全管理措置が講じられるよう、委託元は委託先に対して必要かつ適切な監督を行う義務があるとされています。委託元がこの監督を怠り、結果としてマイナンバーが漏えいするようなことがあった場合は、それが委託先のミスであったとしても、委託元もマイナンバー法違反に問われる可能性があることも知っておく必要があります。

次回は2月上旬の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 マーケティング本部

井川 雄二

1997年 大塚商会入社。主に複合機をお客様に提案する営業担当から始まり、現在はその経験を生かしてマーケティング本部として営業支援を行っている。ITにまつわる情報収集に長けており、全国各地のイベントでは年間数十回のセミナー講演を実施し、その情報を余すことなくお客様に伝えている。その講演内容がとてもわかりやすいと評判。

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