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第10回 採用企業が急増!意外と知らない、タブレット活用を成功に導く“仕組み”とは?
現在、企業のタブレット導入率は約30%、約3社に1社が導入していると言われていますが、全従業員数に対する社内導入率は6.6%とかなり低いのが実情です。ペーパーレス化によるコスト削減や業務の効率化といった効果を背景に企業の関心と導入率は高いものの、個々の従業員となると普及率は決して高くありません。
今回は、PC・タブレットを有効活用するためのキーとなる「リモートアクセス」について触れていきます。
世界と比較しても優秀な、日本のモバイルインフラ
日本国内におけるモバイル回線や無線LANの通信速度は、年々スピードアップを実現しています。モバイル回線で見れば、1980年代に活躍した1G(第1世代)と呼ばれるアナログ方式から、1990年代にはデジタル方式へと劇的な進化を遂げた2G(第2世代)。そして、現在の主流となっている3G/4G(第3・第4世代)は、より高速なデータ通信が可能となり、画像などの大容量のデータ通信もストレスなく行えるようになりました。無線LANの進化も著しく、2013年より日本でも導入されている11acと呼ばれる規格は、それまでの無線LAN規格の主流であった11nと比較して約11.5倍(規格値)もの高速化を実現。これにより複数のデジタル機器を同時に繋いでも安定した通信が可能になるなど、より実用的な環境へと進化しています。こうした日本のインフラ環境は、世界と比べてもトップクラスなのです。
モバイルの高速通信が可能になった現在では、そのインフラをビジネスに導入する動きも加速しています。外出先でもオフィスにいるときと同様の仕事をしたい。そのようなニーズの中、注目されているサービスが「リモートアクセス」です。
PC・タブレットを有効活用するのであれば、リモートアクセス導入を!
リモートアクセスは、【1】使いたい端末(PC or タブレット or スマホなど)、【2】利用システム(外出先でメール確認ができれば良いのか、または社内と同じ環境で仕事がしたいのか)、【3】接続タイプと利用者規模(社長や経営層などのごく一部が利用できれば良いのか、または営業部や外勤者全てを対象にするのか)の三つの選定ポイントを押さえる必要があります。
タブレットの活用方法に関する調査(当社調べ)で、その課題の多くがリモートアクセスで解決できることがわかりました。今やリモートアクセスは、PC・タブレットを有効活用する上でのキーとなる仕組みです。通信コストの低廉化やデバイスの進化、インフラの低価格化など、モバイルインフラの進化だけでなく、さまざまな側面からもリモートアクセスの導入を後押しする条件が整いつつあります。
次回は7月上旬の更新予定です。