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第41回 XPのときの悪夢再び? あと2年に迫ったWindows 7サポート終了問題で起こること
2020年1月14日、Windows 7の延長サポート終了まで残り2年となりました。延長サポート終了後にWindows 7のPCを使うことは、マルウェアへの感染などセキュリティ上では大変危険な状態になるため、残り2年の間に最新OSであるWindows 10への移行を完了しなければなりません。今回は、この問題における国内事情、Windows 7を使い続けるリスクやWindows 10移行のメリットなどをお伝えします。(Windows 7のサポートは2020年1月14日をもって終了しました)
XPのときの悪夢再び? あと2年に迫ったWindows 7サポート終了問題で起こること
2020年1月14日、Windows 7の延長サポートがついに終了します。その時まで残り2年となりました。延長サポートの終了と共に、Windows Updateによるセキュリティ更新プログラムが配布されなくなるため、延長サポート終了後にWindows 7のPCを使うことは、マルウェアへの感染などセキュリティ上では大変危険な状態になります。そのため、残り2年の間に最新OSであるWindows 10への移行を完了しなければなりません。
今回は、この問題における国内事情、Windows 7を使い続けるリスクやWindows 10移行のメリットなどをお伝えします。
Windows 10への入れ替え計画、中堅中小企業での遅れが目立つ……
IDC Japanが2017年3月に発表した予測によれば、Windows 7の延長サポートが終了する1年前(2019年)におけるWindows 7搭載PCの残存率は34.6%に達すると推計しました。Windows XPの延長サポートが終了する1年前(2013年)の残存率29.3%であったことを考えると、非常に高いことが分かります。
また、2016年時点でWindows 10への入れ替えを計画している企業は約56%に留まり、このうち大企業では3社に2社(約67%)が入れ替えを計画しているものの、中堅中小企業では約45%と半数を切りました。Windows XPの延長サポート終了時のいわゆる“2014年問題”のときと同様、今回も中堅中小企業での遅れが予想されています。
参考
IDC Japan株式会社 プレスリリース(2017年3月)
~ 2020年のWindows 7の延長サポート終了に警鐘を鳴らす ~
国内企業PCのWindows 10への切り替え計画分析結果を発表
サポートが終了したPCを使い続けることの大きなリスク
メインストリームサポートに加え、延長サポートも含めた全てのサポートが終了すると、仕様変更や新機能のリクエスト、無償サポートに加え、セキュリティ更新プログラムや有償サポートなど、マイクロソフトが提供する重要な更新を含む、全てのサポートが受けられなくなります。
中でも特に重要なのは、セキュリティ更新プログラムの提供です。マイクロソフトは、製品の発売以降に発見されたプログラムの不具合や問題点などのいわゆる“脆弱性”を修正するためにセキュリティ更新プログラムを提供していますが、延長サポート終了後の提供はなくなります。ウイルスなどの悪質なプログラムはその“脆弱性”を利用するため、延長サポート終了までにWindows 10搭載のPCに入れ替えることが必要です。
Windows 10は、パフォーマンスや使いやすさの面で、Windows 7 から大きく進化しています。そして何よりもセキュリティが最新の脅威に対応し、複雑な設定や追加のソフトウェアのインストール無しでもPCを守ることができます。より快適に PC を活用するためにも、早めの移行をおすすめします。
次回は2月上旬の更新予定です。