第62回 体調管理と健康管理

運送業界では、飲酒運転の撲滅や夏場の熱中症対策等で飲み物への関心は高いものの、食べ物については「しっかり食べていますか?」と量のみの確認で終わる場面も散見されます。

ドライバーも食事については「時間や駐車する場所が確保しにくい」などの理由から、関心が高くないことも否めません。

そこで「飲み物だけでなく食べ物」の指導や、睡眠においても食事と同じく「量だけでなく質」への関心も必要だと感じています。

しかしながら点呼時には「質よりも量」の確認を優先することも……。

「ちゃんと寝た?」ではなく、遅刻して出社したドライバーに対する確認と同様に「何時から何時まで寝た?」「眠れなかったの?」と聞いてみては?

「ちゃんと食べた?」ではなく、アルコール摂取に関する確認と同様に「何をどれぐれぐらい食べた?」「何時ごろに食べた?」と聞いてみては?

ドライバー自身が「疲労と疾病の違い」を判断しにくいことも、運送会社として健康管理に取り組むべき理由のひとつ。

また、ドライバーが荷役作業時には荷台の上で上半身のみを動かすことが多く、運転による走行距離は長くても歩数は伸びないために、運動不足を否めません。

これは営業担当者が顧客回りをする際に「社有車を使用時」と「公共交通機関を利用時」での、歩数の違いにも似ています。

誰しもが「事故と病気」は嫌なもの。

よって「安全と健康」とは、ドライバーが運送会社に求める一番の願いだと思います。

ドライバーの「健康」は、お客様も求めています。

なぜならドライバーが自身の体調が優れなければ笑顔になれない上、確認作業を面倒に感じて誤配送や構内事故の可能性が増します。

管理者の「健康」は、ドライバーも求めています 。

なぜなら管理者が自身の体調が優れなければ笑顔になれない上、対応が面倒に感じて指示を省いたり間違ったりする可能性が増します。

そこで提案です。

各社内で「健康の日」を制定してみてはいかがでしょうか?

それは「みんなの健康を願う日」であり「相手の健康を気遣う日」であり「自分の健康を考える日」

相手の健康を気遣うと優しくなれます。

相手の健康への気遣いは相手への関心を示す行為であり、会話のきっかけになります。

会話はコミュニケーションになり、安全性の向上にも効果が有るでしょう。

運動不足解消も目的として、全員で構内清掃を行うのも妙案です。

ドライバーの健康を気遣う運送会社は、安全を優先してドライバーを大切にする運送会社。

これも求人募集時の応募率向上の条件であり、ドライバー不足の中でドライバーの定着率を伸ばす際の高齢化対応にもつながるでしょう。

ドライバーの健康を気遣うこととは、ドライバーを監視するのではなく、ドライバーに関心が有る証拠です。

ドライバーが車内で健康が低下すれば、交通事故が発生します。

管理者が社内でドライバーの健康を気遣えば、安全を確保できます。

ドライバーの健康と安全の結果が、運送会社の健全経営の条件です。

ありがとうございました。

次回は12月11日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送・物流会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止やマナーアップを含む輸送品質の向上に取り組み、経費削減はもちろんその取り組みを営業活動へ転化して売り上げが向上するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として2014年には698回講演。
また、全日本トラック協会主催の全国トラック運送事業者大会における交通事故防止対策の分科会で、2年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員。
各都道府県のトラック協会や青年部会の各ブロック大会での講演多数。
プロデキューブ
公式ブログ:ほぼ毎日更新中!プロデキューブログ
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