第200回 管理者のタイプ分析「グー・チョキ・パー」

職場において「怖い・冷たい」や「何を考えているのか分からない」との印象により近寄りがたい管理者は、その「怖さ・冷たさ」が相手への愛情なのか自身の横着なのか、何を優先してどんなことを考えているのかは、1対1で話してみるとよく分かります。

管理者のタイプ分析「グー・チョキ・パー」

職場において「怖い・冷たい」や「何を考えているのか分からない」との印象により近寄りがたい管理者は、その「怖さ・冷たさ」が相手への愛情なのか自身の横着なのか、何を優先してどんなことを考えているのかは、1対1で話してみるとよく分かります。
管理者は主に以下の「愛すべき三つのタイプ」に分類できると思います。

1. 「グー」のタイプ

ハラスメントすれすれで体育会系の熱血指導タイプ。
熱くなると言葉が過ぎる傾向があり、時に離職騒動や取引停止の引き金になりやすい。
新規案件対応や大量出荷の際には「祭り」と称して自ら現場で陣頭指揮に立って部下を鼓舞しつつ、誰よりも生き生きとしながら徹夜でも「祭り」を満喫している。

会話は「ひらがな」が多くて、意外と伝わりやすいとの評判。
髪型は決まって短髪で、気が短いながらも涙もろくて昔話に花が咲く。
通勤の車内ではAMラジオ派で、渋滞情報になれば走行中でもボリュームを上げて耳をラジオに近づける危険なクセがある。

昼食は「麺類とご飯物のセット」のみを求めて、近隣店舗を1週間でローテーション。
酒席では豪快なイメージがありつつも、慢性的な膝痛から座敷席だと妙に静かで早めの散会を促してくる。
座右の銘は期待通りの「心技体」
荒っぽく見えても、懐に飛び込めば誰よりも面倒見が良い兄貴タイプです。

2. 「チョキ」のタイプ

はやりの言葉を巧みに使いこなし、相手の心に刻み込む指導を得意とする。
時に上司や荷主の心も切り刻んでしまうほどの切れ味もあるので、取り扱いには要注意。
休日には業務に関連がない資格取得の講座を自費で受講するなど自分磨きには余念がない反面で、業務に必要な運行管理者資格には平成の時代から受験しているがいまだ不合格。

会話では「カタカナ」を多用かつ早口もあって嫌みに聞こえてしまい、いつも最後は相手を置き去りにしてしまう。
髪型はどちらかと言えば長髪の傾向で、話も長い。
通勤の車内では資格取得講座でセット購入したCDを聞きながら、自己啓発ではなく自己満足の世界を満喫して、会社の駐車場に到着しても朝礼直前まで車から出てこない。

昼食時は食後のコーヒーを所望する習慣もあり、昼の休憩は誰よりも早く出掛けてギリギリまで帰社しない。
酒席では上品なワインを注文しつつも飲み方が誰よりも下品で、2回に1回はワインをこぼして自分のシャツを自らの手でワイン色に染めている。
他人の影響を露骨に受けやすく、座右の銘は頻繁に変わっている様子。
しかしながら、大切な仲間を守るためには相手を問わず、なりふり構わず切り込むことができる勇者タイプです。

3. 「パー」のタイプ

いつも笑顔で多くを語らず、優しく包み込むような接し方で若い世代のドライバーからは好評。
一見何も考えていないような表情と合わせて、優柔不断でリーダーシップに乏しく、周囲の人が右往左往することもしばしば。
声が小さくて、指示と独り言との区別ができるようになるまで机を並べてから半年は要する。

休日の過ごし方が誰にも予想できず、その謎めいた存在感が時折ドライバーの間で話題に挙がる。
髪型には無頓着かつ常に乱れがちで、つかみどころのないおとぎ話を夢中で話し続けることができる。
季節や天候を問わずに片道1時間を要して自転車で通勤する中、たまに子ども用の自転車に乗ってくることもあり、その理由を聞けば「気分転換」との不可解な回答。

昼食は自席で毎日同じ菓子パンを二つのみで、早々に済ませた後は座ったままでお昼寝タイム。
酒席では最初から色付きのサワー系を所望して、最後は必ずデザートで締める。
座右の銘を聞けばやはり小声で「誰にも言わず・話さず・教えず」との回答で、ここでも秘密主義を貫いている。
実は口数は少なくても誰よりも部下を知り信頼している。
そのことも言葉にしないので誰も知らないが、部下の成長を誰よりも楽しみにしながら今日も全員が退社するまで静かに見守っている……。

どのタイプですか?

「あなたの上司はどのタイプですか?」
「あなたはどのタイプの上司ですか?」

おかげさまで。
2013年7月5日の初掲載から数えて200回目の節目を迎えた「運送・物流会社の管理者のための安全・品質向上講座」は、今回の掲載で終了します。

日本の運送業界を支えている、全国の愛すべき管理者の皆様へ。
またどこかでお目に掛かれる日まで、どうかお元気でご安全に。
8年間にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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