第50回 業務調査手法 事例「薬剤部」

病院は終日、忙しいイメージがありませんか?そのとおり大変忙しいのですが、決して効率良く動いている結果、忙しいわけでは必ずしもありません。今までの流れで、あるいは昔からのやり方で「忙しい」結果になっていることもよくあります。

そこで今回は、自分たちの業務を振り返る「業務調査」の手法についてお話しします。分かりやすくするために薬剤部を事例として取り上げます。

業務調査の基本
・1名単位(事例の場合薬剤師1名ということ)の業務内容を10分単位から30分単位で記録(薬剤部全員の業務調査が理想)
・業務調査は、連続する1週間実施
・業務調査は、最も忙しいと思われる週に実施

※調査員が外部の人員の場合
調査される側からみれば、「俺の『粗』を探すのだろう」と思うのは心情です。全ての業務が洗いざらいにされてしまうので、普段より手も抜きづらくなります。そのため、最初にどのような目的で、どういう調査をするのか事前に説明会を開催するのも一案です。またケースによっては調査の早い段階で「こんな感じでまとめています」という途中経過をご担当者にも見てもらい安心してもらえるように留意することも必要です。

調査表の中には、業務開始時間と終了時間の項目がありますが、トイレに行く時間や雑談する時間までは明らかにしないのが普通です。ちなみに業務調査期間は普段の業務より生産性が上がると言われているので、このことも業務内容分析で留意する必要があります。

◇タイムスケジュール調査票例

◇カテゴリー分類
調査票に記入しやすくし、調査実施後に集計、分析しやすいように、予め業務内容をカテゴリー分類しておくことをお勧めします。

◇薬剤部 業務調査リスト 抜粋

薬剤師ごとの業務調査を実施しますが、「薬剤部」という部署単位の業務調査も同時に調査していきます。

薬剤部を想定したカテゴリー分類例 抜粋

この業務調査リストは、ほんの一部のみの抜粋です。実際はかなりの量の調査項目があります。部署単位での調査については、部門長など役職者の方へのヒアリング調査などで確認します。そのヒアリング調査時には、チェック項目のこと以外に「今までの経緯」や「さまざまな想い」なども同時にヒアリングできるとよいですね。

業務調査を実施する目的はさまざまです。職員の無駄な動きを発見する(効率化、標準化、適正人員数配置等)ことが主目的であることが多いです。自分たちで気づかない点を指摘してもらい、職場環境の改善をするということが業務調査の最大の目的です。

業務調査を実際に自分たちで実施しようとしたら、非常に大変です。通常ですと部外者の公平な第三者の目を通して業務調査を実施します。しかし、前述したとおりに調査される側は、気持ちの良いのもではありません。他人が家に土足で上がられるような気分でしょう。調査員はその自覚を持って調査に当たらなくてはいけません。

皆さんは、どう思いますか?

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次回は2月10日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
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