第43回 コイルセンター業務システム構築のポイント(1)

コイルセンターの業務システム構築・見直し・導入に数多く携わってきた経験から、構築のポイントやヒントを数回に分けてお伝えします。今回はその1です。

コイルセンター業務システム構築のポイント

コイルセンターの業務システム構築・見直し・導入に数多く携わってきました。
業務システムへの要望は現状足元で困っていることや煩雑で手間が掛かっている業務の解決になりがちですが、業務をうまくシステムに乗せ効果を上げるためのポイントがあります。
業務システム構築のポイントやヒントについて数回に分けてお話しします。

ポイント1

システム内の情報の信ぴょう性を高め、実業務で活用できるシステムを実現し、入力のためのシステムにならないこと。

コイルセンターの業務システムは業務効率化のための一つのツール(手段)ですが、実業務とシステムから提供される情報が異なるとシステムの信頼を失い使用されなくなります。
例えば、システムから出力される帳票に「○○は含まれていない」という制約条件がつく場合です。
在庫表に委託加工や預かり在庫が含まれていない、既に出荷した製品も含まれている、売上日報に含まれていない売上形態(種別)がある等の理由から帳票をそのまま業務では使用できない場合があります。
このため在庫表にないものを出荷するための手書き伝票が発生、手書き伝票の情報はシステムに反映されないため、担当者が個別の管理台帳を手書きやExcelで作成し運用、ますます現品とシステム上の在庫が乖離(かいり)、システムからの情報が信ぴょう性を失いシステムを使用しないという悪循環が発生します。
また、手書き伝票をシステムへ入力するだけの業務が発生し、過去の結果を入力する「入力のためのシステム」となり、入力結果を実業務に活かせず業務効率化を阻害する要因となります。

この様な状況では月次締めに間に合わせるための入力を行うことが主となり、経営者が業務システムから日次・月次の状況を瞬時に把握し経営判断に使用することは難しく、システム投資の費用対効果が出ないばかりか、残念なことに業務システム自体が業務効率化の足かせとなってしまいます。

では、システムの信ぴょう性を高めるためにはどの様な方法があるのでしょうか。
次回はいくつかのヒントをお話しします。

次回は10月13日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社日本金城印 横浜オフィス シニアマネージャ

三山 裕司

2003年10月、株式会社CANVASを起業。
2018年12月、株式会社日本金城印へ事業を移し現職。
鉄鋼流通/コイルセンターの実務とITに精通した専門家集団として、業務改善・システム導入でお客様をサポート。RFIDを代表とする自動認識技術・物流効率化を実現するサービス・システムの情報提供・導入支援を行う。
株式会社日本金城印
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