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第42回 ヒヤリ・ハットと緊急地震速報の活用
コイルセンターで最も優先されることは「安全第一」。日常の小さなヒヤリ・ハットを見逃さないことが大きな事故・災害の防止につながることについてお伝えします。
ヒヤリ・ハットと緊急地震速報の活用
コイルセンターで最も優先されることは「安全第一」です。
皆さんご存じの事故・災害に関する有名な「ハインリッヒの法則」では「1件の重大な事故・災害の裏には29件の軽微な事故・災害があり、300件のヒヤリとしたハットした事例がある。大きな事故・災害の防止に小さなヒヤリやハットした段階で対処・防止していくことが必要である」と言われています。
コイルセンターでは社内に安全委員会を設置し定期的な安全パトロールを実施、日常で感じた小さなヒヤリ・ハットにも対処することで大きな事故・災害の防止につながっています。
災害には大雨の自然災害もあり天気予報である程度予報が出ますが、最近の想像を超える短時間の豪雨への対応には苦慮されていると思います。
また、地震も発生予報が困難なため実際に揺れてからの対応となりますが、日ごろからのヒヤリ・ハット事例に対処しておくことで、大きな災害の防止につながることは間違いありません。
地震にはテレビや携帯電話・スマートフォンからの緊急地震速報がありますが、直前にアラームが鳴る短い時間のなかで対応ができないのが現状ではないでしょうか。
そんな中で緊急地震速報を災害防止に活かした事例を知りました。
緊急地震速報を病院や大型商業施設が直接受信し、揺れる前にエレベータを最寄りの階に止めたり、出入り口のドアを開放したりすることを自動で行うシステムです。
また、予想震度を館内放送や大型ディスプレイを通じてアナウンスも可能とのことです。
コイルセンターはスリッター・レベラー等の大型加工設備、天井走行クレーンを有し重量物の扱いもあり、既に地震に対する災害マニュアル・訓練を実施していると思いますが、緊急地震速報を直接受信することで、揺れる前に加工設備を安全に停止したり、クレーンオペレーターを安全に避難させたり、吊り荷の安全な降下等を行ったりすることへの活用ができるのではないでしょうか。
揺れてからの初動よりも、揺れる前のわずかな時間での行動が大きな災害を防止する減災につながるとも聞いています。
緊急地震速報の活用は直下型地震を想定した場合に揺れるまでのわずかな時間で何ができるのかと懐疑的な意見も多くありましたが、2011年東日本大震災の経験から揺れることを事前に知ることの心理的な余裕とIoT進歩で各種設備機器との連携が減災につながると注目されています。
緊急地震速報とコイルセンターの加工設備が連動され減災につながる日が近くまで来ていると思います。ご安全に!!
次回は9月8日(金)更新予定です。
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