第36回 コイルセンターと自動認識技術(3)

初回と第2回ではバーコード・二次元コードの使用事例についてご説明いたしました。
前回でも触れましたが、現在コイルセンターの在庫管理に多く使用されているバーコード・二次元コードでは以下の点が課題となっています。
 【1】リーダを近づけて一つずつ読取を行うため読み取り時間がかかる
 【2】表記できる情報量が少ない(貼付スペースに制限があるため)
 【3】印刷面が汚れると読み取りできない

これらの課題を解決する自動認識技術として今回はRFIDをご紹介いたします。
RFIDとはRadio Frequency Identificationの略で、RFタグ(ICタグ)を使用した無線(ワイヤレス)通信技術の総称です。

<RFIDの特長>
【1】複数同時読み取り
離れた距離から、複数のRFタグを瞬時に一括して読み取ることができます。
【2】情報量が大きい
RFタグのメモリーに情報を書き込めるためバーコードより大きな情報を扱うことができます。また、メモリーの内容は書き換えることができます。
【3】耐環境性
電波を使用するため、RFタグ自体が汚れても読み取ることができます。
【4】移動中の読み取り
RFタグが動いていても読み取ることができます。
【5】固有ID
RFタグ自身にユニークなIDが付与されていますので、個別管理が可能です。
【6】透過機能
電波が追加する物質であれば、陰に隠れたRFタグを読み取ることができます。
※金属の陰に隠れたものは読み取ることができません。

ただし、バーコード・二次元コードに比べ、読み取り方法や情報量に優位性がある一方で、金属・液体といった材質によって読み取り精度に影響を与える場合があります。

■留意点
【1】金属・液体・水分の影響を受けて読み取れない場合がある
【2】複数読み取りが100%でない場合がある
※読み残したタグがあった場合は、バーコードと同様にタグを1枚ずつ読み取る必要があります。
【3】タグの物理的な破損で読み取れない場合の対策と準備が必要
【4】使用環境(室内・野外・温度範囲)を考慮したRFタグを選定する
【5】用途に適した周波数帯と読み取り距離の検証

<金属対応RFID>
上記の留意点にもありますが、RFタグは金属に直接貼ると読み取りにくくなる場合があります。この点を解決するために金属面との間に隙間を設ける等の処置を行い、金属に貼り付けても読み取りができるようにしたRFタグがあり、「金属対応RFタグ」と呼ばれています。
金属対応タグにはRFタグの構成部品である「インレイ(ICチップとアンテナが格納されたもの)」が金属からの影響を受けないよう工夫されています。
金属対応RFタグのタイプは以下の二つに大別されます。

■活用事例
【1】コイルセンター
・母材コイルの置場管理と異材加工防止(置場管理システムとの併用)
・ステンレス・非鉄(黄銅・青銅…)での製品の入出荷と置場管理

【2】鉄鋼メーカー
国内
・製鉄所内の野外に保管する製品の置場管理、異材出荷防止。

海外
・母材コイル内径に金属対応タグを貼り付け。
 a.製鉄所内の置場管理
 b.移送時の誤出荷防止
 c.物流管理
中継地・倉庫・コイルセンターでの入荷業務の簡素化

次回は、RFIDと同様に複数同時読み取りが可能な自動認識技術であるカラー・コードについてご紹介いたします。カラー・コードでは読み取ったタグの場所を、画面上に表示して特定することが可能です。

次回は4月10日(金)の更新予定です。

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