第35回 コイルセンターと自動認識技術(2)

本コラムでは前回に続き、鉄鋼流通加工業、特にコイルセンターにおける自動認識技術の活用事例と今後の方向性についてご説明いたします。
今回はコイルセンターと外部(納品先・鉄鋼メーカー・商社等)とのバーコードの共同利用および二次元コードの利用についてです。

コイルセンターの多くではバーコードを自社管理コードとして使用しており、取引先がコイルセンターのバーコードから情報を読み取り活用することはできません。
例えば、前回紹介した出荷時照合作業での活用では製品ラベルの本券は製品に貼られた状態で納品されますが、本券に印字されているバーコードの多くはコイルセンター自社内の在庫管理番号等の管理情報をバーコード化したものです。そのため、製品を受け取ったお客様がバーコードを読み取っても、お客様のシステムでは使用しない情報であるため、残念ながら活用できません。

ただ、現在ではバーコード・二次元コードの利用を外部に広げる取り組みが行われています。今回は以下の3つの事例をご紹介したいと思います。

1.EDIとの併用
鉄鋼メーカーから出荷される薄板コイル/シート・ 棒線コイルおよび結束材には「鉄鋼バーコード標準(※1)」という日本鉄鋼連盟が定めた標準形式のバーコードが貼られています。一部コイルセンターでは鉄鋼メーカー・商社からのEDI情報と併用することで、現品の入荷照合に活用しています。「鉄鋼バーコード標準」の貼付は鋼材注文(申込)の際に、商社経由で鉄鋼メーカーへ依頼します。
バーコード情報はEDIでの詳細情報とのマッチングキーとしての使用を前提としているため、下記キー項目から貼付バーコードの種類を選択することが出来ます。
 【1】材料識別コード
 【2】供給者企業コード
 【3】現品番号または梱包番号
 【4】発注番号またはメーカー契約番号/行番
 【5】質量/員数
バーコードには情報種別を識別する「識別子」が付けられており、バーコード自身がどのような情報なのかを判別できる工夫がされています。

入荷照合の手順としては、まずEDI出荷現品情報に基づき事前に自社システム内で入荷情報を生成しておきます。その後、入荷した現品に貼られた「鉄鋼バーコード標準」を読み取りEDI情報と現品を照合することで、現品の着荷を確認して入荷を確定させることができます。

2.指定伝票での使用
通常、コイルセンターでは納品する製品に自社仕様の納品書(送り状)を添付して納品先に届けます。これとは別に納品先が独自様式で作成した「指定伝票」を納品時に持参することが条件とされる場合があります。指定伝票には予め納品先が必要とする項目(自社内の管理キーとなる資材番号・部品番号等)が文字とバーコードで印字されています。納品先では指定伝票のバーコードを読み取ることで受け入れ・検収を行います。
また、EDIを併用し、納品先に出荷情報を事前に送ることで、製品の納品先着荷時に指定伝票のバーコードと照合し、受け入れ明細を確定させることも可能です。

3.二次元コード
コイルセンターの製品ラベルに二次元コードを利用している事例があります。
二次元コードはバーコードより多くの情報が入るため納品先で必要な情報を二次元コード化して製品ラベルや納品書に印字します。
納品先では、受け入れ・検収や鋼材を使用する際の現品と加工指示の照合・チェックに製品ラベルの二次元コードを読み取り活用することが出来ます。

外部との利用での留意点として予め相手先と バーコード・二次元コードに記載する内容を取り決める必要がありますが、バーコードをキーとして様々な情報との照合が可能となります。

現在広く普及しているバーコード・二次元コードですが、一度に一コードしか読み取りが出来ないため、複数の読み取りに手間と時間がかるという課題があります。
次回は一度に複数読み取りが可能な自動認識技術であるRFID・カラーコードについて紹介いたします。

※1 鉄鋼バーコード標準(一般社団法人 日本鉄鋼連盟/EDIセンター)

鉄鋼バーコード標準【1/2】(一般社団法人日本鉄鋼連盟 鉄鋼EDIセンター Webサイト)

鉄鋼バーコード標準【2/2】(一般社団法人日本鉄鋼連盟 鉄鋼EDIセンター Webサイト)

次回は3月13日(金)の更新予定です。

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