第24回 業績分析のポイント

最近のIT業界では、マーケッティングを主体としたいろいろなステージで、ビッグデータのより有効な取り扱いが注目されています。

例えばAmazonや楽天市場に代表されるインターネット通販サイトでは、純粋なネット販売だけではなく利用者の閲覧情報や口コミ情報までもデータ化されています。
そしてこの膨大なデータをいろいろな角度から分析した上で、次の販売への足掛かりとしています。

鋼材加工・流通業においてもシステム化により活用できるデータの範囲は日々広がっています。
今回はこれらの膨大な情報の中から、会社の業績拡大への足掛かりを得るにはどうすればよいかについて説明したいと思います。
もちろん、会社によってデータの内容や活用できる範囲は異なるため、今回はできるだけ答えに近づくためのヒントになるよう、いくつかポイントを挙げて説明します。

まず簡単に言うと、基本的には【1】自社実績の分析【2】今後の方向性の確立と実践【3】再分析の繰り返しです。
自社を改めて振り返り、自社の強みと弱みを再確認する。そして己を知った上で、今後の方向性を決めて実践します。
一見単純なサイクルのようですが、多くの企業で特に最初の自社業績の分析への踏み込みが甘くなることがよくあります。
最初の分析が不充分だと、当然最後に得られる結果も不充分なものとなり、望んでいるものが効果的に得られない場合が少なくありません。
そこで今回は加工・販売を例にとり、実績分析を行う上でのポイントを簡単に説明します。

【自社実績の分析ポイント】

1)実績分析の対象について、基準を決めた値との比較による絶対分析とするか、時系列的な相対分析とするかを再確認する。
2)絶対分析を行う場合、常に自社実績の基準との比較を行い、必要であれば基準の修正を行う。
(例:一日当たりの基準加工量から、稼働日数で計算された加工量と実績との比較)。
3)相対分析を行う場合、実績内容の比較対象を明確にする。
(例:条件が違う前月などとの比較ではなく、前年同月比での販売実績比較)。
4)無理に分析結果を出そうとしないで経過観察を実施する。

当然のことですが、自社の実績を分析するだけでは会社の業績拡大を図ることはできません。
意味のない自己満足となっているケースも少なくありません。
しかし、もう一歩踏み込み、自社の今がどうなっていているのか、そしてこれからどのように進んでいくことが重要かを分析結果から導き出すことが、業績拡大への足掛かりの一歩になると思います。

次回は12月13日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

三由 浩司

株式会社CANVASは 2018年12月、株式会社日本金城印へ事業を移管いたしました。
鉄鋼流通・コイルセンターにおける業務全般(営業・生産・IT)のコンサルタントを中心に製造業全般の提案活動を実施。国内外における複数コイルセンターの標準化システム構築実績有。
株式会社日本金城印

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