第14回 「管理職」と小集団活動

日本の製造業の特徴を語るうえで重要なキーワードの一つに、QCサークルに代表される「小集団活動」があります。
職場内の小集団ごとに、職場のいろいろな課題(品質・生産性・効率など)を自主的に解決していく活動で、課題の洗い出しから問題解決の手順などはQC手法としてすでに確立されており、多くの企業で製造部門ばかりではなく営業や運送といった幅広い部門での導入が行われています。

鉄鋼業関係では高炉メーカーがいち早く導入を始めたものの、その川下にあたるコイルセンターでは企業によって導入時期に大きな違いがあります。
高炉メーカーの協力の基で早期に導入された企業もあれば、遅ればせながらここ数年で業界団体主催の成果発表会に参加を始めた企業もあり多種多様ではあります。
しかし業界としては確実に小集団活動が浸透・活性化し続けているというのが実感です。

この「小集団活動」は、課題解決を行うことで企業体質の強化に貢献することが可能となるだけではなく、現場を重視し社員の自主性に任せることで参画意識の向上や社内教育へも大きな影響をもたらす効果も期待できます。いわゆる「やる気」の起爆剤となるのです。

この「やる気」を奮い立たせ継続していくためには、自主性に任せるといいながらも管理職の小集団活動への関わり方が大きく影響します。
小集団活動は全社活動であるといっても、職場によって常に斬新なアイデアや効果的な課題解決方法で改善効果を出しているところもあれば、マンネリ化で問題意識が希薄になっている職場もあります。
そして、そのマンネリ化した雰囲気が徐々に他の職場へも蔓延していくケースがあります。

このマンネリ化した職場の小集団活動をいかに活性化させるか、これこそが管理職に求められる小集団活動への関わり方だと思います。
小集団活動は自主管理活動であるという考え方から管理職の関与ははばかられるという意見もありますが、同じ職場で働く人間として、マンネリ化した職場の雰囲気を打破するようなアドバイスや、活動の成果に対する賞賛は大切だと思います。

そしてそのアドバイスは決して仕事の延長線上の業務指示のようなものではなく、職務上培ってきた「ものの見方」やノウハウ・知識からのアドバイスであることが必要だと思います。

例えば、下記のようなアドバイスが、管理職としての小集団活動への参画となるのではないでしょうか。

  1. その職場では大きな効果が望めない改善であっても、会社全体ではより大きな効果が見込まれる「全体最適」という観点での課題のアドバイス。
  2. 他の職場の課題を踏まえたうえでの、職場の壁を乗り越えた他部門との協働改善活動へのアドバイス。
  3. より改善効果が見込まれるような設備機器に関する情報の提供。

結局のところ、部下を管理することが仕事である管理職としての小集団活動とは、部下が気持ち良く小集団活動を行えるような「さすが管理職」と言われるアドバイス・賞賛が的確にできるよう、常に社内外にアンテナを張っておくことではないでしょうか。

次回は2月22日(金)更新の予定です。

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