第17回 新入社員教育から考える、作業標準のレベルアップと有効活用

4月も後半になると、新入社員教育もより実践的になってくるころではないでしょうか。
鋼材加工業においても、例年社会人としての一般常識教育等に加えて鉄の種類・特性といった商品知識の取得や流通・加工内容の概要理解など、より仕事に密着した教育が行われます。
 
そしてその中でも「安全教育」は鋼材加工業では欠かすことができない重要な教育となっています。
実際に重量物を扱う時だけではなく、工場内にいるだけでもいろいろな安全に関する留意点があります。
それに加え、自社で扱う鋼材の特性および加工ラインやクレーン等の荷役設備での安全面に関する教育がさらに行われます。
また企業によっては、現場のある場面における状況を再現し、危険を察知・回避するシミュレーション(危険予知訓練)を実施しているところも多くあります。
このような教育を通して、まずなによりも安全が最優先であるという意識を持つことが徹底されるようになります。

多くの企業ではこれらの新入社員教育の内容を自社内にて体系的にオーソライズし、毎年活用しています。そしてこの教育内容のベースは自社の作業手順・作業標準であり、自社のノウハウや文化を代表するものと言えます。

そこで今回は、毎年実施されている安全教育と自社で管理されている作業手順や作業標準をリンクさせて、作業標準のレベルアップを図ることで実務への有効活用する方法を提案したいと思います。

【作業標準のレベルアップ&有効活用案】
ビデオなどの情報機器を使用して、自社の担当ごとの標準的な作業手順・内容を映像としてパソコンに保存、この情報を基に作業改善を行う。

  1. 自社の職場単位でのベテラン社員の作業手順・内容を情報機器にて記録し、パソコンに保存。
  2. 作業担当者(出演者)・上位管理者・同じ作業のその他担当者で手順等を確認、安全・品質・作業効率の順で変更点があれば、全員の合意の上で手順等の見直しを実施。
  3. 手直し後の作業手順・内容を情報機器にて記録しパソコンに保存。(コメント等あれば追記)

以上の手順をとることで【3】の手直しされた内容が、最新の作業手順・作業標準となります。 
そしてこの映像等を通して新人からベテランまでが同じ作業を学べるような仮想環境が構築されます。
同様に、国内外を問わない複数の作業拠点での自社の作業標準の確認と見直しも可能となります。

現在では今回提案する手法を簡単に実現できるシステムがいくつも存在しています。
しかし単に実際の作業手順等を記録するだけではなく、そのシステムをうまく利用し継続的に自社の作業手順を客観的に分析しレベルアップを図ることが仕事への有効活用と言えるのではないでしょうか。

次回は5月24日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

三由 浩司

株式会社CANVASは 2018年12月、株式会社日本金城印へ事業を移管いたしました。
鉄鋼流通・コイルセンターにおける業務全般(営業・生産・IT)のコンサルタントを中心に製造業全般の提案活動を実施。国内外における複数コイルセンターの標準化システム構築実績有。
株式会社日本金城印

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