中小の建設業こそ健康経営を──“辞めない職場”は小さな改善から

「働き手を確保できない」「入社してもすぐに辞めてしまう」と悩んでいませんか? 人手不足に悩む中小の建設業界では、「辞めない職場づくり」が喫緊の課題となっています。長時間労働や属人的な管理体制の放置は、従業員の健康だけでなく企業の成長にも大きな影響を及ぼすものです。

その解決策として注目されているのが、「健康経営」です。本記事では、中小建設業における「健康経営」の導入メリットと、現場から始められる改善策について、実例を交えてご紹介します。

中小建設業こそ健康経営を──“辞めない職場”は小さな改善から

建設業界が抱える大きな課題

中小の建設業では、人手不足や長時間労働、属人的な管理体制が慢性化しているケースが少なくありません。特に現場監督や総務担当など、業務の中核を担う人材に負担が集中し、心身の不調や離職につながるリスクが高まっています。

長時間労働につながりやすい時間のかかるアナログ作業や属人的な業務に問題を感じていても、「改善に着手するゆとりがない」という理由で後回しになっているケースも多いでしょう。問題点に気付いていても改善せず放置していた場合、従業員の心身にも負の影響を与えてしまう可能性があります。

建設業界が抱える大きな課題

そこで取り入れたいのが「健康経営」という視点です。従業員の心身の健康に配慮し無理のない働き方を実現することは、人材の定着や生産性向上にもつながります。業務効率化に向けた取り組みの中には、中小の建設業でも着手しやすいものが多くあります。

健康経営は中小の建設業でもできる経営改善策

健康経営と聞くと、「大企業が取り組むもの」というイメージを持つ方も多いかもしれません。実際には、中小の建設業でも取り組みを始められる人材確保に効果的な経営手法です。

経済産業省の調査によれば、健康経営に取り組む企業は全国平均と比べて離職率が低い傾向にあることが分かっています。また、近年の求職者は健康を保ちながら働ける環境を求める傾向があり、企業が健康経営への取り組みをしているかを見定めている方も少なくありません。

健康経営は中小の建設業でもできる経営改善策

経済産業省が行った健康経営を実践する中小の建設業へのアンケートでは、「企業ブランド・イメージの向上」が70.8%、「組織の活性化」が60.6%、「人材の採用」では53.2%が「効果を実感した」と回答しています。

健康経営を実践するためには、労働環境の改善や業務効率化への取り組みが必要です。健康経営は、人材確保という経営課題の解決にも直結する取り組みであることが分かります。人が定着し、業務が安定的に回る職場環境をつくるためにも、健康経営は有効な選択肢となるでしょう。

勤怠管理の「見える化」で月数十時間の事務作業を削減

建設業では現場ごとの勤務実態が把握しにくく、紙のタイムカードやExcelでの勤怠管理が続いている企業も多く見られます。しかし、この方法では手入力によるミスや二重管理の非効率さが発生しやすく、勤怠集計だけで月に数十時間かかってしまうケースも少なくありません。

こうした課題に対応するため、近年はクラウド型の勤怠管理システムが注目されています。クラウド型の勤怠管理システムであれば、スマートフォンやタブレットを使って現場からリアルタイムに打刻・申請を行えます。

勤怠管理の「見える化」で月数十時間の事務作業を削減

大塚商会が提供する「Universal 勤次郎」などの勤怠管理システムでは、案件別の工数管理や労働時間の集計、36協定のチェック、原価管理との連動まで一元的に行えるため、手作業による勤怠集計の負担が大幅に軽減されます。

実際にクラウド勤怠を導入した企業では、月40時間かかっていた勤怠集計を5時間以下に短縮できたという事例もあります。クラウド勤怠によって勤務実態を可視化することは、長時間労働の是正や、マネジメント改善にもつながるものです。勤怠管理の見直しは、働き方の適正化や健康経営の土台づくりにも有効です。

勤怠管理システム 導入検討・ヒント集

健康管理の仕組み化で定着率向上を目指す

中小の建設業では、少人数で多くの現場を回すことが一般的です。そのため、心身の不調を抱えながらも無理をして働くケースが少なくありません。特にメンタル面の不調は外からは見えにくく、対応の遅れが離職や長期休職につながってしまうこともあります。

こうしたリスクを未然に防ぐ手段として、ストレスチェックの定期実施が注目されています。ストレスチェックは、従業員の心理的ストレスの状態を可視化し、早期に気づきを与えるツールです。

健康管理の仕組み化で定着率向上を目指す

2015年に制度が始まって以降、常時50人以上の労働者を使用する事業場に対して実施が義務づけられてきました。そして2025年5月に成立した改正労働安全衛生法により、今後は従業員数にかかわらず、全ての事業場に対してストレスチェックの実施が義務化される予定です。施行は2028年5月ごろと見込まれており、50人未満の事業場も早急な制度の理解と準備が求められています。

ストレスチェックの導入だけでなく、健康診断の管理や長時間労働のモニタリング、産業医との連携など、健康状態を包括的に把握できる体制を整えることも重要です。日常的なチェックとフォローアップとを可能にするシステムを構築することで、現場の安心感を醸成し離職防止にも効果的な取り組みとなるでしょう。

「Universal 勤次郎 健康管理」では、ストレスチェックの実施・集計・分析が可能です。これにより、管理部門の負担を減らしつつ、従業員の状態に寄り添った的確な施策を実施できるようになるでしょう。働く人の変化に気づける仕組みがあること、それ自体が従業員にとって安心感につながるのです。

Universal 勤次郎 健康管理(健康経営・健康管理支援)

まず何から始める? 中小の建設業が押さえる三つのポイント

健康経営に着手しようとしても、何から始めてよいのか分からない方も多いでしょう。限られた人員とリソースの中で着実に成果を上げるためには、次の三つのポイントから着手するのが効果的です。

  1. 勤怠の見える化
  2. メンタルケアの仕組み化
  3. 現場の声を拾う仕組みづくり

まず何から始める? 中小の建設業が押さえる三つのポイント

まずは勤怠の可視化に着手しましょう。労働時間の偏りや長時間労働を把握することで、無理のある働き方を早期に是正できます。勤務実態を可視化したデータは、経営層や現場責任者の判断にも役立ちます。

次に行いたいのがメンタルケアの仕組み化です。ストレスチェックや産業医との連携を通じて、従業員の心理的安全性を高めることができます。心の不調は表面化しにくいため、制度として仕組みを整えることが欠かせません。これは職場の心理的安全性の向上や離職防止にもつながります。

そして、現場の声を拾う仕組みづくりも大切です。日常の対話や定期的なアンケートなどを通じて従業員の声を集めることで、問題の早期発見や、働きやすい環境づくりに役立てられます。小さな声に耳を傾ける姿勢は、信頼と定着率の向上にもつながるでしょう。

いずれも専門的な知識や大きな設備投資を必要とするものではありません。各種ツールやサービスをうまく活用しながら、自社に合ったペースで取り組みを進めていくことが重要です。

健康経営は“辞めない職場”への第一歩

健康経営は従業員の健康を守るだけでなく、業務効率や離職率、採用力といった経営課題の改善にもつながる経営手法です。特に従業員一人一人への負荷が大きくなりがちな中小の建設業では、健康管理の仕組み化が職場全体の安定につながっていくでしょう。

「人が辞めない職場」にするために、まずは勤怠の「見える化」やストレスチェックの導入といった小さな一歩から健康経営を始めてみてはいかがでしょうか。

健康経営は“辞めない職場”への第一歩

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