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生産革新 Bom-jin:中堅・中小企業でのBOM構築による経営革新レポート

大塚商会コンサルタント谷口 潤が、遠赤外線ヒーター技術で業界をリードする加熱装置メーカーの株式会社ワイエイシイデンコーの、BOM構築による設計部門改革に迫ります。

  • *本ページに記載のお客様の肩書き、社名等はそれぞれ取材(2015年11月)時点のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

流用化・標準化設計の現場で何が起きているのか?

遠赤外線ヒーター技術で業界をリードする加熱装置メーカーの株式会社ワイエイシイデンコー(以下、ワイエイシイデンコー)が、BOM構築による設計部門改革に乗り出したのは2009年のことでした。それから5年余りが経過した今、設計の現場はどう変わったのでしょうか。長年にわたりBOMの伝道師として流用化・標準化設計の普及に取り組み続ける大塚商会コンサルタント谷口 潤が、「技術力」「改革」「人材育成」「ビジョン」の四つのキーワードに沿って、その現実と課題に迫りました。

[技術力]高度な遠赤外線技術を武器に、液晶パネル用熱処理装置で成長を続ける

福田 : 当社は、その前身である国際熱処理工業株式会社の設立から来年で55周年を迎えます。ルーツは現在の日立国際電気なのですが、その熱処理装置部門が遠赤外線技術を手に分社化する形で設立されたのが当社になります。

その後も常に熱というキーを軸に、各種熱処理装置の設計・製造および、熱源自体の販売を行ってきました。今日の売り上げの中軸を占めるのは液晶製造装置用の熱処理装置で、中でもスマートフォン用液晶の比率が最も高くなっています。それと並行して、電子部品焼成炉や自動車用の高張力鋼(ハイテン鋼)ホットプレス用加熱装置、さらに自動車・航空産業を対象としたCFRP焼成装置など、新事業の創出にも積極的に取り組んでいます。(中略)

代表取締役社長 福田 辰徳氏

[改革]ただ標準化設計を叫ぶだけでなく、まず流用化の仕組みを作りたかった。設計者の意識は後から付いてくると考えた

奥山 : (大塚商会の)谷口さんをコンサルタントにお迎えして、設計部門改革に向けた取り組みが始まった当初、「標準化設計」という言葉が先行して一人歩きしていたと思います。私はその言葉に違和感を覚えました。受注型製造業である我々は、お客様のニーズに応じた設計を行うことが常に求められます。そうした中、標準化などできるはずがないというのが正直な思いでした。

しかし、その一方で設計部門の改革が必要であることは私も感じていました。そのキーワードは効率化であるはずです。では、どうすれば、設計業務が効率化できるのか――。自分なりに考えて得た答えは、情報がある程度共有化され、誰が設計しても同じ結論にたどり着ける仕組みを作ることでした。つまりたどり着いた先は、谷口さんの標準化設計が意味するものと同じだったというわけです。(中略)

生産技術部 部長 青木 康浩氏

[人材育成]人材の確保と育成が企業成長のカギ。どれだけピュアな白紙の部分が残っているか、私はエンジニアのその部分を見極めたい

福田 : 流用化設計・標準化設計への取り組みは、まさに設計リソースの余力を生むための取り組みだったわけです。それにより生産性を上げ、少人数で対応できる形に持っていければ一番良かったのですが、現実的には、ありがたいことでもあるのですが好調な業績もあり、設計部門がオーバーフローしているという状況は今も続いています。設計アウトソーシングや派遣エンジニアの活用、あるいは助勤体制の構築によってなんとか乗り切っているのが実情です。(中略)

経営企画室 室長 奥山 祐三氏

福田 : 我々が今すぐにでも欲しいと考えている中途採用者の場合、当然即戦力になってもらえることが前提です。ただし一定以上の技術を持つ方の場合、これまで勤めてきた企業の文化や色に染まっていたり、自分なりのポリシーお持ちになっていたりすることが一般的です。私が中途採用者を面接する際に最も重視しているのが、その人にピュアな部分や、新たなことを受け入れてくれる素直さがどれだけ残っているかという点です。それを探る中で、その方の人間性も透けて見えてくるように思います。(中略)

インフラパネヒーター

青木 : 設計者として成長するには、いろんなものを見て、触って、経験することが大切だと考えています。図面を書いたり、モノを作ったり、お客様と話したりする経験の中で、ものの考え方、感じ方も変わってくるはずです。しかし奥山が話したように、いろんなことに興味を持てる人間でなければ、何事も経験しただけで終わってしまいます。経験を踏まえ、そこから一歩先に踏み出せるように若手設計者を導いていきたいと考えています。(中略)

FPD向け加熱装置

[ビジョン]今のネットアクセス社会では、中小の企業規模など関係ありません。ニーズに応えた者だけが生き残るのです

福田 : 当社のような小粒の会社は、じっとしていると滅びていきます。繰り返しになりますが、常に技術を生み出し、とがらせていくことが大切であると考えています。

現在、汗をかきモノを作るのは、海の向こうに移っています。我々の役割はどれだけ額にしわを寄せ、考えを突き詰めていくことができるかが全てになろうとしています。ネットワークの発達によって会社規模を問わず、多様な情報にアクセスできるようになった今、正直に言うと自分たちが中小企業であるという意識は特にないんですよ。いかにマーケットで勝てるもの、社会に役立つものを生み出せるかが全てだろうし、それをやり遂げたところが勝ち、生き残るのだろうと思っています。(中略)

  • * インタビュー全文をお読みになりたい方は、下記よりPDFをダウンロードしてください。

自動車用ホットプレス加熱装置

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BOM構築による実際の現場の変化を知ることができるインタビューです。 中堅・中小企業で現場の改革に関心のある方、ぜひご一読ください。

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