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第4回 白ナンバー事業者アルコールチェック管理の運用負担と効率化(3)
前回は、アルコールチェック実施運用を効率化し、運転者の負担軽減に関してお話ししました。今回は、管理者による確認方法について考えていきます。
白ナンバー事業者アルコールチェック管理の運用負担と効率化(3)
今回は、運転者がアルコールチェックを実施する際の肝(キモ)ともいえる管理者による確認がテーマです。「運転前後の運転者の状態を目視等で確認することにより、運転者の酒気帯びの有無を確認すること」が白ナンバー事業者に対しても義務づけられました。
アルコールチェック管理で負担を感じるのは「目視等による確認」
実にさらっと書かれていますが、アルコールチェック管理において、運転者、管理者とも大きな負担を感じるのは、この「目視等による確認」ではないでしょうか? 対面により、運転者の顔色、呼気の匂い、応答の声の調子などを確認する必要があるのです。
運転者も管理者も同じ場所(事業所内など)であれば特に問題なく実施できそうですが、遠隔実施の場合はそういうわけにはいきません。遠隔の場合は対面に準ずる対応が必要となり、電話などを用いて応答の声の調子などを確認するなどの対応を取らざるをえないのです。また、アルコールチェックの実施の本質を考えると、アルコール検知器を使用した確認が一番求められるシーンともいえます。
ただ、アルコール検知器を使用し遠隔で実施していても、結果を紙に手入力していては少しもったいない気がします。というのも、運転者が検査を終えて結果を紙に記入しても、遠隔地にいる管理者には運転者の手元の様子は残念ながら分からないからです。
性悪説に立ちたくありませんが、検査結果を正しく書いたか、あるいは検査そのものを実施したかどうか怪しまれる……ケースがあるかもしれません。このような場合、管理者は見えない(把握できない)ことに対して責任を負わなければならず、心理面で相当の負担を強いられることになります。
クラウド管理でアルコールチェック実施を適切に把握
クラウド管理は、このようなケースの改善に非常に役立ちます。遠隔地にいながらでも運転者の検査結果をすぐに知ることができ、未実施によるごまかしができません。また運転者が検査時の様子をスマートフォンで撮影するようにしておけば、なりすましの予防も期待できます。適切な検査結果に基づく確認は管理者の負担を軽減し検査としての有効性も高まります。
クラウド管理のメリットはこれだけでありません。例えば、確認業務の外部委託です。安全運転管理者がアルコールチェックの確認に立ち会う時間は定時内に限ったことではなく、早朝深夜など、業種によってさまざまな時間に管理者による確認が必要とされています。
このようなケースでは、確認できる管理者の人数を増やす、管理者のシフトを組むなど、負担を分散する対応をとることが考えられます。もしも対応を根本的に見直したいと思われるなら、確認業務を外部に委託することも検討されてはいかがでしょうか?
ただし、その場合は遠隔でのアルコールチェック実施を適切に把握、管理できるクラウド型のアルコールチェック管理サービスとセットでの導入が前提となることを強く提言します。