第5回 口コミの威力

前回のコラムの中で書かせていただいた「オンライン」to「オフライン」=「O2O」ですが、この新しいウェブ戦略に大切なものは、下記の三つのファクターだと考えています。

 1:O2Oのプラットフォーム(第一回の店舗BLOGなど含む)
 2:スマートフォンアプリ(第3回PCを越えるスマフォ)
 3:SNS

今回は人の購買行動である「AISASの法則」中の「Share(共有)」という行動の裏にある「口コミ」…特にSNSにおける口コミの威力について紹介したいと思います。

●きっかけは「Facebook」

「利用者の約5割が、フェイスブックをきっかけに商品・サービスに興味をもったことがある」

これは「Facebookをきっかけに、商品やサービスに興味・関心をもったことはありますか。ある方はそのシーンをお選びください(複数回答)」という設問に対する答えを集計したものです。

※株式会社マクロミル:「2012年 Facebookユーザ500人 利用実態調査」より(株式会社マクロミル Webサイト)

こちらのグラフを見てもわかるように「友達の投稿もしくは、シェアを見て」が31%で最多となっていることがわかります。

また、興味をもった後、何らかの行動を起こした人は77%と約8割となり、具体的にどんな行動をとったかを尋ねたところ「インターネットなどで調べた」が61%で最多、「友達にシェアした」が26%となったそうです。

では、利用者はどんな時に「Share(共有)」したくなるのでしょうか?

「あなたは、どんな出来事があったときに投稿(シェア)したくなりますか。また、友達の投稿について、どんなときに「いいね!」を押したくなりますか(それぞれいくつでも)」という設問に対する答えがこちらです。

※株式会社マクロミル:「2012年 Facebookユーザ500人 利用実態調査」より(株式会社マクロミル Webサイト)

ここで注目すべきは「共感」という感情です。
ソーシャルメディア上では「共感」こそが、情報が口コミされていくためのパワーになり得るのです。

●情報拡散のために必要な二つの「共感」

情報を口コミで広めるために必要なこと。
それは「情報そのものへの共感」と「情報の発信源(発信者)に対する共感」です。
これら二つの「共感」がそろうことで、情報は広く拡散していきます。

ここで重要になってくるのは「情報の発信源(発信者)に対する共感」…つまり、誰がその情報を発信しているのかという部分です。

これまでは

 ・新聞/雑誌に載っていたから
 ・TVで特集されていたから
 ・有名人がオススメしていたから 等

商品購買のための情報は、自分とは直接関係のないところから発信されるものだけでした。

しかしSNSが広く普及した現在において、情報とは、SNSの利用者一人ひとりが発信可能なものとなっています。そこでポイントとなるのが「誰が」その情報を発信しているのかということです。

「○○さんが発信していたから」その情報に共感し、「Share(共有)」したくなる。

そんな情報拡散の図式がいまや当たり前のものとなっています。
加えて…これら二つの「共感」を大前提に、「自分の感性」のフィルタを通過できるかどうか「この情報は知り合いに伝える(Shareする)価値があるか」という取捨選択に残った情報だけが拡散されていくと言っても過言ではありません。

●口コミの活用によるファンの進化~インフルエンサーを何人作れるか~

以前、こちらのコラムで(第2回)ブランドや商品の「ファン」である顧客を、メールマガジンやブログの活用により「リピーター」として囲い込むことの意義を紹介しました。
今回のテーマである口コミはそれをさらに進化させることを実現します。

みなさんは「インフルエンサー」という言葉をご存知ですか?

インフルエンサーとは「人々の消費行動に影響を与える人物のこと」。
以前であれば、好感度の高い芸能人やファッションモデル、スポーツ選手、知識人、専門家だけがインフルエンサーになりえましたが、SNSによる情報発信が容易となったことで、一般の消費者がインフルエンサーとなることができるようになりました。
これがSNSにおける口コミ効果のすごいところなのです。

SNSでは多くのフォロワーは必要ありません。
1万人に薄く伝えるよりも100人に濃く伝えたほうが、口コミが広く拡散するという、見た目とは逆の現象が発生するからです。コアなファンを100人獲得できれば、その口コミの効果は非常に大きなものとなります。

コアな優良顧客を軸にクチコミを展開していくのがSNSマーケティングだとすれば、その基本は商品やブランドを介して顧客に楽しんでもらうことに他なりません。
顧客目線に立って、よりよい経験を提供し共有するからこそ、企業と顧客間に信頼関係が築ける…そして信頼してくれた顧客はその商品やブランドのファンとなり、リピーターとなり、友人たちに推薦してくれるインフルエンサーとなっていくのです。

“店頭の情報をWEBで「認知」し、自分にパーソナライズされたアプリやSNSによって「商品購買欲求」を起こし、店頭で「購買」させる。”

次回、最終回になりますが、これらのO2Oを具体的に形にすることのできる
「新WEBプラットフォーム アパレルクラウド」をご紹介させていただきます。

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第6回(最終回)
来るべきO2O時代を見据えたアパレル業界向け「新WEBプラットフォーム アパレルクラウド」についてお伝えします。(5月8日更新予定)

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この記事の著者

株式会社アパレルウェブ 執行役員 事業本部 本部長

杉本 慎太郎

2004年にアパレルウェブ入社。西日本エリアのソリューション営業を担当し、2011年から現職。
株式会社アパレルウェブ

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