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第11回 Point3 社員が成長できる-支援型のマネジメントが大切-
社員の成長を促すには、評価制度が「見える化」されていること、上司が部下に対して支援型のマネジメントを行うこと、定期的に面談を行うことが重要です。
支援型のマネジメントが大切
社員の成長を促すには、評価制度が「見える化」されていて、マネジメントがきちんと機能していなければなりません。制度を生かせるか、そのカギを握るのは人です。特に上司が部下に対して支援型のマネジメントを行うことが大切です。「振り返り面談」「評価面談」での上司のアドバイスや指導がないがしろだと、評価制度のPDCAサイクルはうまく回らなくなります。
では、どのようなアドバイスや指導を行ったらよいのでしょうか。振り返り面談のポイント、評価面談での注意点などを具体的な例を挙げて説明しましょう。
まずは振り返り面談です。振り返り面談の目的は、簡単に言うと掲げた目標を忘れないように設定期間の中間で確認をして、進捗状況や反省、課題を明確にして後半につなげることです。
部下は自分で設定した目標にもとづき、自律的に行動できているかを上司と確認します。上司は部下の状況やパーソナリティーなどを考慮しながら、部下が目標を達成するためのアドバイスや指導を行います。
また、会社の方針や業務内容の変更があった時には目標の修正なども行います。
振り返り面談での上司と部下との具体的なやり取りとして、最初に部下が目標を達成できていない時の事例を挙げてみましょう。部下が月曜日は早く出社するという目標を掲げているケースです。
「毎週月曜日は30分早く出社して1週間の業務整理を行い、それから朝のミーティングに臨むという目標を立てましたね」
「はい」
「しかし、ほとんど5分前、10分前にしか出社できていませんね。このままいくと、4段階評価で1になってしまいますよ」
「そうですか……」
「どうすれば、目標どおりに出社できるようになるのでしょうか。それは、意識の問題ですか。それとも生活のリズムの問題でしょうか」
「目標どおりに出社しようとは思っているのですが、生活のリズムを変えられなくて……」
「月曜日に早く出社するというのは、自分で掲げた目標ですよね。それに対してはどう考えていますか」
「いつもよりわずか30分早いだけと甘く考えていました。わずかな時間であっても、生活のリズムを変えるのは大変だと実感しました。月曜日だけでなく、毎日早起きをする習慣を身に付け、目標を達成したいと思います。継続して取り組みます」
目標を達成できていない場合は、どうすれば達成できるようになるか、自分で考えさせるのがポイントです。会社が一方的に押し付けた目標であれば、部下が納得していないこともあります。しかし、部下が自分で目標設定をしていれば、「月曜日は早く出社するということで合意しましたよね」と問いかけ、どうすれば達成できるようになるかを自分で考えさせることができます。面談の意義もそこにあります。
次は部下が目標として業務改善の提案を掲げ、達成している時のケースです。
「毎週の分科会で、業務改善の提案を必ず一つは行うという目標を掲げましたね」
「はい、資料をもとに必ず提案をするという目標を立てました」
「目標を設定してから6週間がたちますが、毎週必ず提案していますね。素晴らしいです」
「ありがとうございます」
「今までやれなかったことを、あらためて目標として掲げ、意識が変わって具体的な行動に結び付いています」
「今までもやろうと思っていたのですが、全然できませんでした。これではいけないと思い、気を引き締めて頑張りました」
「このままいけば、最高評価の4です」
「そうですか。ありがとうございます」
「実は、ほかにも同じような目標を掲げている部員がいるのですが達成できていません。率先垂範して、周りにより良い影響を与えられるよう、継続的に取り組んでください。本当に素晴らしい」
「分かりました。気を抜かず引き続き取り組んでいきます」
部下が設定した目標を達成できている時はこのように、さらに継続・再現できるように後押ししましょう。
次回は8月7日(月)更新予定です。
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