第2回 Point1 目標が明確-十分な材料提供が大前提-

目標は、部下と上司が「目標設定面談」を行い、共同作業によって設定します。行動目標であれば、部下はコンピテンシー項目(注1)に基づいて、今までできていない、改善していきたい目標を自ら考えて、「目標シート」に「自己設定行動目標」として文章化します。上司は、その目標に漏れやダブりはないか、難易度は適正か、優先順位は明確か、などを確認します。

目標の設定に当たっては、上司は部下に、会社や部署の方針・目標、部下への要望事項や課題など、設定するうえで参考になる十分な材料を提供することが大前提となります。

上場企業をはじめ株主がいる会社であれば、株主と経営陣との合意事項として、今期もしくは3カ年の全社の方針や目標などがあります。そうした会社の方針・目標に対して、自分の部署の方針・目標は何であるか、そして部下への要望事項や課題は何であるか、ということを部下に提供しなくてはなりません。

大手企業では、自部署の来期のミッションは何かということを、部長が役員陣にプレゼンをして、部のミッションが確定します。そういう会議をやっています。部長は、会議に出した資料や、そこで確定したミッションを、ちゃんと所属部員に説明する必要があります。

部のミッションのプレゼンは、私の前職であるプリモ・ジャパン株式会社のときにもやっていました。「ミッションマネージメント」という呼び名の会議でしたが、半期に1回開催し、そこで部長が、社長はじめ取締役全員にプレゼンをして、全部署のミッションを確定させるのです。

場合によっては、誰がどの業務をやっているかといった、部員一人ひとりの業務の棚卸し表のようなものも提出して、部長がプレゼンをするのです。大仕事なのですが、非常に重要な会議であり、その会議を通じて役員陣も一体となりました。

なお、部長が役員陣の前でプレゼンをして、部としてのミッションを決めるというのは、株式会社クレディセゾンでも実施していました。

中堅・中小企業であれば、社長がビジョンを示し、そのビジョンを実現するための各部門の役割、社員の課題などを説明しなくてはいけません。

ところが、そうした十分な材料を提供していないケースが多いのです。営業部門であれば、「うちの部は、売上予算として2億円を提出して戦ったんだけど、勝手に2億4000万円が下りてきた。みんな、ごめんな。目標が高くなるぞ!」

といった具合です。これでは説明したことになりません。その部署が2億円で出した売上予算が、経営会議や、大きな会社であれば常務会で、なぜ2億4000万円になったかという理由があるはずです。上司はその理由を部下にきちんと伝え、説明責任を果たす必要があります。
「話しても分からないだろう」
と思って詳しく説明しなかったとしたら、その考えは間違っています。分からなくもよいのです。分かる社員はいます。きちんと説明をするのが誠意であり、社員を大切にしていることに通じるのです。

まずは十分な材料を提供し、部下が自分自身で行動目標を考え、それを上司と話し合いながら加筆・修正して設定することが大切です。

次回は、今回に引き続き「Point1目標が明確」について、目標を自分で設定させる意義についてお伝えします。お楽しみに。

注1:コンピテンシー…高業績者に共通してみられる行動特性

次回は11月14日(月)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社あしたのチーム 代表取締役社長/給与コンサルタント

高橋 恭介

株式会社あしたのチーム代表取締役社長。1974年千葉県生まれ。東洋大学経営学部卒業後、興銀リース株式会社へ入社。リース営業と財務に携わる。その後、設立まもないベンチャー企業、プリモ・ジャパン株式会社に入社。数十名だった従業員が500人規模へと躍進した同社の副社長を務め、人事にも深く携わる。台湾子会社代表も歴任。2008年、株式会社あしたのチームを設立。800社・述べ10万人以上の人事評価に携わり、現在は海外を含め全国に15拠点を構え、全国で働き方改革を行っている。
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