第4回 連帯保証人である経営者が知っておくべき知識

■保証人と連帯保証人

銀行は中小企業に対し、一部の制度融資を除き、融資実行にあたって連帯保証人を企業に要求します。
では、保証人と連帯保証人とは、どう違うのでしょうか。

連帯保証人は、通常の保証人と違い、催告の抗弁権、検索の抗弁権がありません。

催告の抗弁権とは、債権者が保証人に保証債務の履行を要求した場合、保証人は債権者に対し、まず主たる債務者に債務の返済を要求するよう主張することのできる権利です。

検索の抗弁権とは、保証人が債権者に対し、債権者がまずは主たる債務者の財産に取立を行わなければ保証債務の履行を拒むことができる権利のことを言います。

連帯保証人の場合、一般の保証人と違い、催告の抗弁権、検索の抗弁権がありません。
そのため銀行は、企業が融資を返済できなくなった時に、銀行はその連帯保証人に対し、いきなり取り立てることが可能となります。

以前は、経営に関係のない第三者を連帯保証人とすることがよく行われていたため、その企業が銀行へ返済ができなくなった時に第三者連帯保証人にも取立がいくこととなり、その連帯保証人は経営に関係がないのにいきなり莫大な金額の取立が来ると、問題となることが多くありました。

そこで信用保証協会保証付融資、プロパー融資(保証協会保証付でない融資)において、次の方針が示されました。

信用保証協会方針(平成18年4月)

保証協会に対して保証申込を行った案件については、経営者本人以外の第三者を保証人として求めることを、原則禁止とする

金融庁通達(平成23年7月14日)

金融機関が企業へ融資する際に、経営に無関係な第三者の個人連帯保証人を求めないことを原則として監督指針を改正。

このような方針により、経営に関係のない第三者が保証人となったことによる問題は、最近、聞かれることは少なくなりました。

ただ銀行は、経営者に対しては連帯保証人となることを求めます。

例えば多くの財産を持った経営者が企業を破綻させてしまい、自分の財産はしっかり守ることができた、これはモラルハザードの問題となります。

自分の会社の経営に対し経営者にしっかり責任を持たせるため、銀行は経営者に対し、連帯保証人となるよう要求するのです。

なお現在、企業の返済ができずに連帯保証人である経営者に保証債務の履行を要求した場合でも、すべての財産を没収されないように制度を変えられないか、政府で議論を行っているところです。

アベノミクスの成長戦略において、開業率の向上、つまり起業者の増加も議論されていますが、その足かせとなることが、起業した会社が失敗し、経営者に多額の連帯保証債務がかかってくること。

そのような状態になっても再起しやすいように、保証債務の履行を要求されてもすべての財産を没収されないようにできないかが議論されているのです。

■根保証とは

また保証には、通常の保証と根保証があります。

通常の保証とは、個別の1本の融資に付随する保証。根保証とは極度額を定め、ある銀行とある企業との間で行われる融資において、その極度内であれば保証する、という制度です。

例えば平成25年6月30日実行、融資金額3000万円、返済期間5年、このような個別の融資に対して行われる保証が通常の保証。

一方で、A銀行がB社に対する融資に、保証人Cが極度額5000万円で根保証した場合、A銀行がB社に対して反復する融資が、残高5000万円となるまでは保証人Cはすべて保証をする、これが根保証です。

そして根保証には元本確定期日が必須です。元本確定期日は5年以内とし、5年を超える期日が定められた場合は元本確定期日の定めがない場合とされ、元本確定期日の定めがない場合は根保証契約が締結された日から3年で元本が確定するものとされます。

元本の確定とは、その確定日時点で存在している融資残高を、その保証人が負担する保証債務とする、ことを言います。

次回は2014年1月21日(火)更新予定です。

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