第44回 若手社員がこだわっていた「仕事とプライベートのケジメ」に関する話

ここ最近、若手社員たちの話を聞いていると、「仕事とプライベートのケジメ」にこだわる傾向を感じますが、その理由は「仕事は楽しいものでない」という先入観も一因のようです。これを変えていく方法はあるのでしょうか。

若手社員がこだわっていた「仕事とプライベートのケジメ」に関する話

ある企業の新人研修の中で、「理想の上司をイメージする」というワークをやった時のことです。そこで思いのほかたくさん出てきた意見に、「仕事とプライベートのケジメがついている人」というものがありました。

どういうことなのかを具体的に聞いていくと、例えば「仕事中に個人的な話はしない」などということが出てきます。
「軽い雑談はダメなのか?」と尋ねると、「うーん、それは中身にもよります」などといいます。自分でも興味が持てそうな趣味の話などは良くて、奥さんとケンカしたなどという内輪の一方的な話はダメなのだそうです。それが理由で機嫌が悪いなどとなれば、さらにもってのほかだそうです。

どんな基準で「仕事とプライベートのケジメ」を考えているのかにちょっと興味がわき、他の若手社員も含めていろいろ質問をしてみました。

「仕事終わりの同期飲み会は、仕事? プライベート?」……約2割が「仕事」
「ではその飲み会メンバーに上司が入ったら?」……約7割が「仕事」
「行き帰りの通勤時間は、仕事? プライベート?」……約5割が「仕事」
「休日に会社の仲間と出かけるのは?」……「うーん、それはプライベートかな。(とはいうものの、そういう情景があまり想像できていない?)」

もちろん個人差はありましたが、少なくとも私が思っていたよりは、「仕事」と思う比率が高いようでした。年長者には「そんなのは仕事じゃない!」などと怒られそうなものもありますが、彼らの感覚としてはこれが事実ですし、今まで長らく積み重ねてきた価値観なので、そう簡単に変わるものではないでしょう。

なぜ、こんな風に思うのかを考えてみると、彼らの「仕事観」「職業観」に共通の前提があるように思います。

それは、

「仕事というのは、そんなに楽しいことではない」
「仕事とは、やらなければならない義務である」
「仕事は、自分の意志に関わらず、やらされること、強制されることが多い」

などという先入観のようなものです。

要は、仕事というのは自分から進んで喜んで取り組む対象ではなく、どちらかといえば楽しくないもの、やらざるを得ないもの、無理強いされがちなものということです。「言われなければ動かない」などという傾向も、こんなところが一因なのかもしれません。

ただ、これは社会人の先輩たちにも原因があります。自分の親でも親戚でも、アルバイト先の社員や上司でも、いつも何かに追われて大変そうな姿ばかりを見ていたとしたら、みんなが疲れていて楽しそうに見えなかったとしたら、そういう環境はできるだけ避けたい、そんなことに奪われる時間はできるだけ減らしたいと思うのが当然でしょう。
“仕事とプライベートのケジメにこだわる”というのは、「嫌なことはできるだけやりたくない」ということに近いように思います。

これを変えていくには、まず「仕事は楽しくないもの」という前提が変わらなければなりません。これは、仕事を具体的にイメージできるようになり、仕事の楽しさを知る経験が増えていけば、少しずつ変わっていくのではないかと思います。そういう意味では「職業観の教育」なども必要なのでしょう。

ただ、私はそんな難しいことを言わなくても、「楽しそうに働いている大人」が身近にたくさんいれば、それが一番のお手本になり、周りも自然にそうなっていくと思います。
残念ながら今は、特に会社で働いている大人たちには、そういう人が少なくなっているように感じますが、もう少し見る範囲を広げてみると、「楽しそうに働いている大人」というのは、意外にあちこちにいるものです。

「楽しそうに働いている大人」が増えること、すなわち、社会人の先輩世代が楽しそうに働く姿を見せることが、若手社員にとっての一番の教育ではないかと思います。

次回は5月30日(火)更新予定です。

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この記事の著者

ユニティ・サポート 代表

小笠原 隆夫

IT業界の企業人事出身の人事コンサルタント。 2007年に独立し、以降システム開発のSE経験と豊富な人事実務経験を背景に、社風や一体感など組織が持っているムードを的確に捉えることを得意とし、自律・自発・自責の切り口で、組織風土を見据えた人事制度作り、採用活動支援、人材育成、人事戦略作りやCHO(最高人事責任者)業務を専門的に支援するなど、人事や組織の課題解決、改善に向けたコンサルティングを様々な規模の企業に対して行っている。
上から目線のコンサルティングではなく、パートナー、サポーターとして、顧客と協働することを信条とする。
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