ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第56回 Windows 10の大型アップデートに不具合!「手動更新しないで」と薦める理由とは?
米マイクロソフトは、2019年5月21日(米国時間)から配信を開始した「Windows 10」の大型アップデート「Windows 10 May 2019 Update」について、既知の不具合が12個あると発表しました。さらに、その3日後に新たな不具合が2個あると発表。同社は「不具合が解消されるまで手動で更新しないことを薦める」としました。今回は、Windows 10アップデートの概要とその注意点についてお伝えします。
Windows 10の大型アップデートに不具合!「手動更新しないで」と薦める理由とは?
米マイクロソフトは、2019年5月21日(米国時間)から配信を開始した「Windows 10」の大型アップデート「Windows 10 May 2019 Update」について、既知の不具合が12個あると発表しました。さらに、その3日後に新たな不具合が2個あると発表。同社は「不具合が解消されるまで手動で更新しないことを薦める」としました。
今回は、Windows 10アップデートの概要とその注意点についてお伝えします。
大型アップデート、手動更新には注意!
今回、配信開始となったWindows 10の大型アップデート「Windows 10 May 2019 Update」は、Windows Updateの「更新プログラムをチェック」というボタンを押すと、最新のアップデートが案内されます。アップデートにより、他に影響を及ぼさずにファイルを実行できる分離環境「Windows サンドボックス」の搭載や、VR(仮想現実)機能「Windows Mixed Reality(MR)」における一般的なデスクトップアプリの起動といった機能が追加されます。さらに、AI(人工知能)アシスタント「Cortana」と検索ボックスの分離、白を基調にした 「ライトテーマ」の追加など、UI(ユーザーインターフェース)にも多くの改良が加えられました。
しかし、この大型アップデートには、既知の不具合が計14個あることがわかりました(2019年5月末時点)。 このうち3個は緩和策がなく、新たな更新プログラムを待つしかありません。現時点では手動で更新操作したり、 更新用ディスクを使ったりしない限り、大型アップデートが自動的に適用されることはありませんが、マイクロソフトは「不具合が解消されるまで手動で更新しないことを薦める」としています。
2種類の更新プログラムとWSUS
Windows 10は「最後のWindows OS」といわれており、今後の機能改善や新機能はWindows Updateから継続して無料提供されることになっています。その更新プログラムは、サイクル・用途の異なる2種類にわかれます。1つは「品質更新プログラム(Quality Update)」、もう1つは「機能更新プログラム(Feature Updates)」です。
「品質更新プログラム」は、従来のセキュリティパッチにあたり、品質の向上、及びセキュリティの修正が行われます。配信は毎月第2水曜日、容量は1GB前後となっています。もう1つは「機能更新プログラム」です。新たに登場したWindows 10の機能拡張を行う更新プログラムであり、配信は年2回のみですが、容量は3GB前後と非常に大きいサイズとなっています。従来のアップデートに比べてサイズが大きいため、社内ネットワークが全社一斉配信に耐えられるか、回線の細い拠点はないかなど、配信時の注意が必要となります。
そこで、近年注目を浴びているのが「WSUS(ダブルサス)」です。WSUS(Windows Server Update Services)とは、マイクロソフトが企業などのシステム管理者向けに配布しているソフトウェアであり、管理下のPCに同社製ソフトウェアの更新プログラムを配信・適用するものです。WSUSサーバーを社内に立てて運用することで、更新プログラムをWSUSが代表してダウンロードします。ネットワーク遅延を防ぎ、さらには各PCに適用するタイミングを コントロールできます。
Windows 10の半年に一度となる大型アップデート。前回の「Windows 10 October 2018 Update」でも、配信開始直後に一定の条件でファイルが消失する深刻な不具合が見つかっています。
Windows 10PCの導入時に、あわせてWSUSの検討もおすすめです。