第100回 3つのJを目指して

安全で日本一を目指すのなら、今からの努力によって全ての運送会社が日本一になれる可能性があります。

3つのJを目指して

1.安全で『事故防止のJ』を実現

「安全が第一」とは「社員が第一」との考え方です。

「安全も第一」とは「社員も第一」との考え方です。

安全とはドライバーの身体(健康)と、ドライバーの家族の笑顔(生活)を守るための手段です。

ドライバーに安全研修や掲示物で一斉に伝えたことを、添乗指導や点呼で個別に確認しましょう。

安全研修や添乗指導はもちろん、点呼も安全教育の機会です。

安全教育はドライバーが幸せであり続けるための手段です。

「教育=幸せ」を高めましょう。

初任運転者に対して実施しなければならない15時間以上の安全研修や20時間以上の添乗指導も、初任運転者だけでなく既存のドライバーにも実施しましょう。

「全員に教育」で「全員が安全」になり「全員の幸せ」を目指して。

2.品質で『時間短縮のJ』を実現

拘束時間や運転時間などドライバーの時間に関する法令を順守するためには「待機時間と空車距離」を縮める方法が効果的。

お客様から「あたりまえ」と思われる安全だけでなく。

お客様から「ありがとう」と言われる品質に取り組み、「○○運送で良い」ではなく「○○運送が良い」と一番に選ばれるように。

ドライバーが待機するのではなく、お客様が待ってでも「○○運送が良い」と選ばれるように。

仕事を求めて空車で何時間も移動するのではなく、配送先様を含む各地のお客様から「○○運送が良い」と呼ばれるように。

品質を高めることでドライバーの安全を守り、安全の法令も守ることができます。

3.教育で『人材育成のJ』を実現

安全教育の結果、事故防止により会社の利益が向上します。

品質教育の結果、品質向上により会社の売上が向上します。

運送会社にとって教育とは、売上と利益を伸ばす手段です。

国が定めたドライバー向けの安全教育は義務であり、安全教育のレベルにおいては損益分岐点のようなもの。

まずは安全教育の継続による安全の向上で、事故弁済金等の減額で会社の損益分岐点を下げて、社内から利益が生まれる体質を作りましょう。

次に品質教育の導入により、仕事の価値(価格)と知名度(仕事の量)を上げて、売上が上がる仕組みを作りましょう。

品質(価値)を上げることは、ドライバーの安全確保のために、お客様との運賃や時間に関する交渉を進めるうえでの条件です。

教育を諦めると、ドライバーの成長も会社の業績も下降線をたどります。

ドライバーには期待と愛情を持って「できるまで教育」を実践しましょう。

そして、歴史や規模での日本一ではなく、人材育成の結果で日本一を狙いましょう。

事故ゼロが安全の最高峰ならば、事故ゼロの達成は事業規模が小さい方が有利です。

安全で日本一を目指すのなら、今からの努力によって全ての運送会社が日本一になれる可能性があります。

「教育(知る)×練習(やる)=努力(できる)」です。

日本一になるために。

3つのJを目指して。

ありがとうございました。

次回は6月23日(金)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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