ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
第99回 TENKOでKENKO
安全と品質への取り組みの向上に欠かせない条件があります。「健康」が低下すると運転中に確認が面倒になる傾向。「健康」が低下すると接客中に対応が面倒になる傾向。よって、安全と品質の向上には「健康」が欠かせません。
TENKOでKENKO
安全と品質への取り組みの向上に欠かせない条件があります。
「健康」が低下すると運転中に確認が面倒になる傾向。
「健康」が低下すると接客中に対応が面倒になる傾向。
よって、安全と品質の向上には「健康」が欠かせません。
運送会社における安全確保のために「運転者に対する指導および監督の指針」として定められた国土交通省告示第1366号の教育項目でも「健康管理の重要性」が含まれています。
「皆様の社内での健康への取り組みは?」と伺うと「1年に1回以上の健康診断ぐらいしか……」と消極的なご反応も多いようです。
しかしながら、点呼は「ドライバーの健康状態を確認する機会」と考えれば、1日に1回以上の健康への取り組みを実施されていることになります。
安全のための点呼とは、健康診断の問診のような時間です。
始業前点呼はドライバーの健康状態を管理者が確認。
始業前点検はトラックの健康状態をドライバーが確認。
社外での営業の会話の場面では、「天候の話題」から入るのがセオリー。
社内での安全の会話の場面では、「健康の話題」から入るのがセオリー。
健康に関する会話は、相手を笑顔にすることができます。
昨今ではドライバーの高齢化もあり、運転中の健康状態悪化による健康起因事故が増加傾向とのこと。
これはドライブレコーダー(車内カメラ)の普及により、事故時の運転行動が後から確認できるようになったことも、数値が増加している要因と考えています。
過去に事故理由を居眠り運転として断定してきた重篤事故の中には、実は健康起因による事故があったかもしれません。
運転中にドライバーの意識が無くなり、もしもオートクルーズが作動されていたら……。
運転中の発病であれば健康起因事故(加害者)になり、発病が運転中でなければ過労死(被害者)になります。
「体調管理」以上の「健康管理」に向けて。
「たくさん食べる」「しっかり寝る」等の量のみの指導ではなく、食事や睡眠の質についての正しい知識を得て、社内で指導しましょう。
「疲れた」と言っていても運動不足と感じているドライバーが多いのも事実です。
それは皆様が「体調管理」と「健康管理」の違いに気付いている証拠です。
当社では管理者向けの研修で「THE点呼」とのタイトルで提供しています。
「オール点呼話」で3時間30分の構成ですが、よくある法律に関する話は一切なく。
本にもインターネットにも載っていない点呼の実践方法について。
形骸化されがちな点呼を楽しむ方法を説明しています。
点呼とはドライバーの健康を気遣う機会です。
相手に健康を気遣われることは、誰しもが喜ぶことです。
ドライバーを監視するのではなく、ドライバーに関心を持ちましょう。
そう考えると点呼時には確認だけでなく、会話が生まれます。
そのように実践すると、管理者もドライバーも点呼が楽しくなります。
記録に残すための点呼ではなく、ドライバーの記憶に残る点呼を。
点呼は法律を守るために実施するのではなく、点呼はドライバーを守るために!
ドライバーが危険(K)を予測(Y)するKY活動と同じく。
ドライバーの健康(K)を予測(Y)することもKY活動です。
ありがとうございました。
次回は6月9日(金)更新予定です。
前の記事を読む
次の記事を読む