第28回 “安全も”と“安全が”の違い

全員が本気になれば何事も成果が出るものです。

「安全も第一」ではなく「安全が第一」で取り組めば必ず事故は減ります。

ただし数値は向上したものの「目標数値には届かない場合」もあります。

もしくは事故件数が横ばいであったり、時には事故金額が増えたりする場合もあります。

本気になって全員が全力で取り組んでいれば、思うような結果が出なくても「安全活動が無ければもっと多くの事故が発生していた」と考えることもできます。

この考えは「事故防止に真剣に(真面目以上に)取り組んだ人」だけが抱くことができます。

さらなる改善策として「取り決め(社内ルール)を変えずに取り組み(伝え方)を変える」方法を紹介します。

例えば運送会社でよく見かける掲示物。

社内の滞在時間が長くはないドライバーに対して、「少しでも多く伝えよう」との思いから掲示物が増えていくようです。

そこで掲示物による伝え方を変えてみることをお勧めしています。

それは「貼る掲示物」から「見てもらう掲示物」に進化させる方法です。

一番効果的なのは、写真や図を多用すること。

そうすれば文字数を少なくすることができます。

文字数を少なくすることで「読むのが面倒」との気持ちが薄れて、見てくれるようになります。

文字数を少なくすると文字を大きくできて、さらに見やすくなります。

掲示物ではなくポスターを作るイメージで作成してください。

「見てもらえる掲示物」に進化します。

もちろん使用する写真は自社内で撮影したものが最適です。

また、安全に関して社外から提供された掲示物の場合は、その掲示物に管理者が手書きで一言コメントを添えてから掲示するのも、気持ちが伝わる良い方法です。

マーカーでアンダーラインを記すだけでも同様の効果が見込めます。

無機質な掲示物を無造作に掲示するのではなく。

“愛情のひと手間”を掛けて掲示してください。

掲示場所にもこだわりましょう。

それにはドライバーが社内で立ち止まる場所を探します。

点呼場や鍵置き場や配車表付近やドアの前やトイレなど。

これは家庭内での連絡は自宅の冷蔵庫に貼ると見てもらえるのと同じこと。

掲載期限を決めて掲示物を少なくすることも「見てもらう(伝える)工夫」です。

このコラムを読み終えたら、ぜひ社内の掲示物を見てみてください。

“もっと伝わる方法”が見つかるかもしれませんよ!

そして掲示物を見ているドライバーが居たら、近寄って声を掛けてください。

掲示物が共通の話題になり、1対1での会話が弾みます。

目の記憶(掲示物)よりも耳の記憶(会話)の方が記憶に残るので、さらに伝わりやすくなります。

ありがとうございました。

次回は7月11日(金)更新の予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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