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第173回 「聞くと話す」と「読むと書く」
話し方が上手な人は書き方も上手です。送られてくるメールの文章も箇条書きで要点をまとめたり、読む時間と理解するための時間を短くしたりするような配慮などから、読みやすいと感じるからです。
「聞くと話す」と「読むと書く」
目で見たものや耳で聞いたことに対して瞬時に言葉を発する際、真意がうまく伝えられなければ相手を怒らせたり悲しませたりすることもあるでしょう。
そのような場面では「何をどのように、どれぐらい話すべきか」を頭で分析する一手間や、一呼吸して心で判断すると発する言葉に一工夫ができて、伝わりやすい話し方に近づけると思います。
言葉は一瞬で記憶に残るもの。
文字は一生の記録に残るもの。
伝わりやすい話し方は、伝わりやすい書き方からも参考になります。
なぜなら、話し方が上手な人は書き方も上手で、送られてくるメールの文章も箇条書きで要点をまとめたり、読む時間と理解するための時間を短くしたりするような配慮などから、読みやすいと感じるからです。
逆に読みにくいと感じるメールの文章には、間が悪い話のように段落がない長文になっていたり、送信者の意図が明確になっていなかったり、送信者に何かしらの思い込みがあるようにも感じます。
やりとりが口頭ではなくメールの場合は、返信に「考える・確認する・修正する」時間がある分、伝わりやすい書き方にも挑戦しましょう。
話すことと書くことは発信する点で共通であり、聞くことと読むことは発信を成功させるための状況把握や情報収集などの準備時間に該当します。
話し上手は聞き上手といわれるように、書き方は読み方からも習得することができます。
新聞記事等を読み込んでから「要するに」と文章を短くまとめる練習や、「例えば」と適合する事例を挙げて丁寧に伝える練習により、会話(言葉)や文章(文字)のひき出しを増やせます。
言葉や文字を選択する際は英語(カタカナ)ではなく「ひらがなで伝える」と、理解が易しくなり優しい印象を得られるのでお勧めです。
英語(カタカナ)で表現されるキーワードは、時に相手が「あいまいな解釈」や「なんとなく分かったふり」をしてしまう原因にもなるようです。
同様に、難しくて自分が書けない漢字や誰にでも容易に読めない漢字は言葉で発しても伝わりにくいので、あえてひらがなで伝えてみましょう。
顔を合わせなくても意思疎通ができたり、正しく簡潔に伝えられたりするようになることも、社会人が習得すべき技術になりそうです。
テレビ越しに多くの視聴者を笑わせる芸人には「トーク力・アドリブ力・リアクション力」が求められるようです。
思考の回転から繰り出す的を射た表現だけでなく会話の間を最適にすることは、パソコンに向かって複数の人と画面越しで話す機会が増加しつつある芸人以外の社会人にも通じる技術です。
マスク越しの表情からでも感情を伝えられるほどの「目力」も、注目されるでしょう。
総じて「短時間で伝える(コンパクト)&相手の記憶に残す(インパクト)」との、点呼時の会話が上手な運行管理者のような「コメント力」が重視されるでしょう。
このように、新たな環境に応じた課題に向き合いながら成長の機会を得るのは、今までと同じこと。
まるで晴耕雨読のような晴歩雨読の日々だとしても。
いつもの道でも見方を変えて歩いてみると、新たな発想が芽生えます。
いつもと違う道を歩いてみると、新たな発見にも出会えます。
ありがとうございました。
次回掲載は5月29日(金)更新予定です。
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