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第174回 かんせんとあんぜん
「かんせん」といえば大型車両でターミナル間を結ぶ幹線輸送であり、「きょり」と聞けば社会的距離ではなく車間距離が真っ先に思い浮かぶ。そんな安全な日常に戻ることを願いつつ、自分でできることを継続しましょう。
かんせんとあんぜん
感染するウイルスと同じく、交通事故の危険も目には見えないものです。
市中における感染の可能性がゼロではないように、道の上では交通事故のリスクはゼロではないといえます。
外出時における感染防止のように、道の上での事故防止の取り組みも継続しましょう。
誰もが感染や交通事故の当事者になりうる危険性を知りつつも、なぜか「自分だけは大丈夫だろう」と思ってしまいがちなところも否めません。
自分が感染しないことと同様に、交通事故を起こさない安全運転に努めましょう。
誰かに感染させないことと同様に、周囲の運転者にも交通事故をさせない防衛運転にも努めましょう。
外出を自粛すれば感染のリスクを削減できるようですが、職種によっては仕事に出なければ収入が少なくなることもあるでしょう。
それは出発をしなければ交通事故をゼロにできますが、運収が減少すれば生活が成り立たなくなるドライバーも同じことです。
だからこそ交通事故のリスクと共存するかのように、危険な状況を上回る安全な行動を実践すべく、安全の教育を行ったうえで道の上に出ることが必要なのです。
感染のリスクはゼロにはならないと考えて行動するのがこれからの生活様式ならば、交通事故のリスクはゼロではないと考えながら運転するのはこれからも変わらない運転方法です。
社会的距離は2メートルでも、信号待ちの車間距離は5メートルを確保しましょう。
バック走行時には、三密ならぬ「3M(ミラー・モニター・目)」で確認しましょう。
衛生は手元の確認を重視しますが、安全は足元の確認から。
マスクの着用がエチケットならば、ヘルメットの着用はマナー以上のルールです。
危険(K)を予知(Y)するのがKY活動ですが、感染(K)を予防(Y)するのもKY活動です。
「感染防止にはワクチン」が求められますが「事故防止にはカクニン」があります。
感染防止に向けた「手指の洗い方と秒数」と、事故防止に向けた「確認のやり方と回数」は、どちらも自分で決めて自分のために取り組む行動です。
手がきれいな人は感染に遭わない自己防衛で健康に。
車がきれいな人は事故に遭わない防衛運転で安全に。
「手を洗う」と「車を洗う」と「確認のやり方と回数」は、法律では定められていないことも共通点です。
夏に向けて暑さが増すごとに「冷麺始めました」の張り紙が目に入ってきても、秋を迎えて涼しさを感じても「感染終わりました」の知らせは届かないのかもしれません。
「かんせん」といえば大型車両でターミナル間を結ぶ幹線輸送であり、「きょり」と聞けば社会的距離ではなく車間距離が真っ先に思い浮かぶ……。
そんな安全な日常に戻ることを願いつつ、自分でできることを継続しましょう。
少しあいまいな表現ですが、気(K)の緩み(Y)を抑えることもKY活動かもしれません。
ありがとうございました。
次回は6月12日(金)更新予定です。
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