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第63回 伝票も商品
運送会社のドライバーにとって、伝票とは“配送先様への羅針盤”であり、“配送先様では通行手形”のようなもの。
伝票をダッシュボードに置いたまま走行して、伝票を風で車外に飛ばすことが無いように。
運転中に伝票が足元に落ちて、伝票に靴の跡を付けることが無いように。
私がドライバー時代には、「伝票を紛失すれば運賃はゼロ!伝票は金券!」と先輩ドライバーに教えられました。
だから商品だけでなく、伝票にも指差呼称確認を。
なぜなら、伝票に記載されているのは文字と数字ですから。
伝票は“見るもの”ではなく“読むもの”です。
伝票をしっかり見る以上に。
伝票は声を出して読むこと。
特に小売店への納入時に伝票に仕入れ先名や仕入れ単価が記載されている場合、伝票の誤納入は営業情報の流出、伝票の紛失は顧客信頼への悪影響が懸念されます。
個人宅への配達時には、伝票には電話番号を含む連絡先だけでなく、購入品の嗜好も判別できる個人情報が記載されています。
だから商品だけでなく、伝票も指差呼称確認の対象です。
大切な伝票は、管理者が顧客訪問を兼ねて返却してみてはいかがでしょうか?
「近くに寄りましたので、伝票(受領書)をお返しに来ました」と言えば、アポ無しでも訪問可能に!
続けて「ご担当者様はいらっしゃいますか?」と尋ねてみてください。
受領書のご担当とは「出荷した人(部署)」です。
日ごろからご発注いただいている担当者様と、お会いできるチャンス!
訪問による返却は「わざわざありがとうございます」と喜んでいただける確率も高いので、勇気&用件も要らず、積極的に訪問できます。
同様に請求書を持参した場合には、受け取ってくださるのは経理担当者様になることも多くなります。
また、出荷主様は返却する受領書が複数枚になればなるほど、運送会社からの返却を待ち望んでいることが多いようです。
社内では返却伝票が複数枚の場合ほど、運送会社内での返却作業は面倒なもの。
伝票の返却は、社内外で喜ばれます。
伝票は、汚損はもちろん折り目も無い状態で返却しましょう。
伝票を“紙幣の新札と同様の状態”で返却するように。
まさに伝票は金券です。
ありがとうございました。
次回は12月25日(金)更新予定です。
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