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第87回 挨拶→会話→教育→安全
交通事故が起こってから「しかる」だけではなく。
交通事故が起こっていないことを「ほめる」こと。
交通事故を起こさないのがプロのドライバーならば。
ドライバーの交通事故を防止するのがプロの管理者。
“たまたま”の無事故に満足して“安全を放置”するのではなく“安全に感謝”をしましょう。
ドライバーが偶然に交通事故を起こすことがないように、管理者が安全を必然にする努力の方法があります。
たとえば、管理者がドライブレコーダーの映像で確認できるのは、ドライバーが前を向いて運行する状況。
管理者が車庫でも目視で確認ができるのは、ドライバーがバック走行時の確認の方法。
確認とは「周囲の確認」と「自身への確認」です。
周囲の状況と自身の状態を知ることで、確認のやり方と回数が変わります。
その方法が周囲と自分に適合すれば「バック事故はゼロ」にできます。
交通事故が起こってからドライバーが記入する、事故報告書の活用方法。
交通事故が起こる前に管理者が取り寄せる、運転記録証明書や適性診断結果の運用方法。
交通事故には原因があるように、安全にも理由があります。
交通事故の原因を排除して、安全の理由を継続することです。
交通事故はひとりのドライバーがひとりの時に起こすものです。
だから安全教育は全員教育が原則であり、1対1の会話によって成立するもの。
挨拶なくして会話なし。
会話なくして教育なし。
挨拶が会話になり、会話が教育になり、教育により安全になります。
安全になるための「挨拶・会話・教育」を同時に実践できるのが点呼の時間です。
点呼に要するわずかな時間でも、正しく伝えられる管理者になるために。
「自分が思ったことを言う」のではなく。
「考えたことを相手に伝える」ことです。
プロデキューブの管理者研修では「2人1組になっての模擬点呼」にも取り組んでいます。
点呼者役だけでなく、ドライバー役にもなることで、伝わりやすい点呼者の特長を体系的に体感できます。
伝える内容をまとめることはもちろん「口調・表情・ジェスチャー・タイミング」を工夫して「100点の点呼」を目指します。
ひとりの点呼者が点呼スタイルを変えることは、恥ずかしいと思うかもしれません。
全員の点呼者の点呼スタイルを変えることで、ドライバーが納得して応じてくれます。
点呼は法律を守るために行うのではなく、ドライバーを守るために実践しましょう。
そしてドライバーを守るための実践方法が、法律にも適合するようになればベストの対策です。
国のルールである法律(道路交通法や貨物自動車運送事業法)は、最低限守らなければならないルールです。
法律よりも細かく社内ルールを設定して、ドライバーが社内ルールも守ることは、交通事故からドライバーを守ることにつながります。
たとえば脇見運転の段階は「法律では違反の対象外」。
脇見運転の状態で交通事故を起こせば「前方不注意」等で「法律で違反の対象」になります。
脇見運転自体を抑止するためには、社内ルールが必要です。
脇見運転をやりにくい運転環境を作るために、まずは運転室内の整理整頓からはじめることも、ドライバーを守るための社内で決めて車内で実践する効果的なルールの代表例です。
ありがとうございました。
次回は12月9日(金)更新予定です。
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